アレクサンダー・ガジェヴのピアノリサイタル 東京オペラシティ 2022/6/29

鑑賞記

アレクサンダー・ガジェヴ(Alexander Gadjiev)ピアノリサイタル@東京オペラシティに行ってきました。

長いこと楽しみにしていたガジェヴさんのリサイタル。五目湯麺で満たした最近気になるお腹にムチを入れつつ、東京オペラシティコンサートホールに向かいました。

ガジェヴさんの演奏は、深い考察と独自の創造性によって構築されているのだなと感じました。第2部のシューマンの幻想曲が特にすばらしかったです。

少しネタバレするので、大阪のリサイタルにこれから行く人は読まない方がいいかもしれません。ご注意くださいませ。

ガジェヴ氏リサイタル@オペラシティ

ガジェヴさんのリサイタルの開催を知ったのは確か今年の1月。まだその時は入国制限があって(ガラコンも中止になったしね涙)、チケットの発売は様子を見つつという感じでした。

チケット販売開始になったのは3月。初日にPCの前に構えて購入しましたよ。すぐ売り切れちゃいそうだったので。おかげで前方の手がよく見える席が購入できました!

オペラシティ前方の席はピアノの音が直接聴こえてくる感じです。演奏家の息遣いも感じられるから私は近い席の方が好きなんだけど、ホールに充満する音を聴きたかったら真ん中より後ろの席の方がいいのかもしれない。

ガジェヴさんと言えばSHIGERU KAWAIのイメージがあったので、スタインウェイではなくカワイで聴きたかったと少し思いました。

プログラムは無料で配布されていますが、それとは別にガジェヴさん自ら語った「曲目瞑想」が200円で販売されていました。200円て安くない!?迷わず購入。

ガジェヴさんがどのように楽曲を捉えているのかが、かなり詳しく記されています。演奏前に読むことでガジェヴさんが描く曲の世界観、プログラムや調性の思惑をよく感じることができました。

音楽への誘い

リサイタルの始まり方、音楽への誘い方が素敵でした。暗くなったホールにガジェヴさんの声。

Music is language.

音楽の不思議。これから音楽を真から楽しむために、2分間沈黙しましょう。とガジェヴさんが語ります。

ガジェヴさんのアナウンスが終わり、よし、目を閉じて瞑想しようと思った瞬間に何故か会場から拍手が。「今2分間サイレンスと言ったばかりじゃないかー!」と突っ込みたくなりました。←

と思ったら日本語でもアナウンスが流れ、その後に沈黙の瞬間が訪れました。「沈黙は最初の音楽」を体感する時間。

そして、暗闇の中ガジェヴさんが舞台に登場されました。10秒ほどピアノの前で瞑想して、ガジェヴさんの音楽への入り口が開きました。

演奏曲

第一部がオールショパン、第二部はシューマン。

1部演奏曲
ショパン
前奏曲 C-sharp minor Op.45
ポロネーズ第5番 F-sharp minor Op.44
ピアノ・ソナタ第2番 B-flat minor Op.35

暗闇の解放から始まった美しい前奏曲。ガジェヴさん、ずっと音がとても美しかった。SHIGERU KAWAIだったらどんな音だったのかなーと何度も想像しちゃいました。

ソナタ第2番は矢を射るような、冷たい厳格な音が時々聴こえるのが印象的。語りかけるようなというか、自問自答させるようなソナタに思いました。

2部演奏曲
シューマン
幻想曲 C-major Op.17

休憩挟んで第二部はシューマンの幻想曲。

内省的な中に幻想、歓喜、落ち着きが表現されて、昨夜の演奏の中で一番好きでした。ショパンよりシューマンの方がガジェヴさんの深い思索がよく感じられる気がした。

ソナタ第2番の「解毒作用」とご本人談ですが、まさに解毒されていく感じで、いやむしろ解毒の後にはシューマンの中毒作用があるような音楽。

もともとシューマンの幻想曲はとても好きな曲でユンディ・リの録音をよく聴いていますが、ガジェヴさんの演奏でこの曲をさらに聴いてみたいという気持ちになりました。より好きになったよシューマンの幻想曲。

アンコール
ショパン:24の前奏曲 第4番
ドビュッシー:12のエチュード 第11番「組み合わされたアルペッジョのための練習曲」

アンコール2曲目のドビュッシーすばらしかった。その場で音楽が生まれたかのようなみずみずしい感じ。これで今日は終わりかなと思うような演奏でした。(実際終わりだった)

帰りはすぐ電車に乗る気持ちになれないので、代々木公園駅まで30分ほどてくてく歩きました。歩きながらシューマンの幻想曲が反芻されていたのは言うまでもありません。

ガジェヴさんの成熟

アーティスト写真のようにキメればどこの俳優さんかと思うほどイケメンなのに、舞台に登場するガジェヴさんは無造作な髪型で哲学者のようでした。

まだ20代だけど、音楽の捉え方や伝え方は成熟した方のように感じます。

右手首に湿布のようなものを貼ってらっしゃって、右手の指にもカットバン。演奏からは調子悪そうな感じはしなかったですが、指や腕を痛めていないといいな。

11月は八ヶ岳高原音楽堂でリサイタルがあるそうです。ショパンとシューマンのプログラム。ガジェヴさんの音楽と自然いっぱいの八ヶ岳が合わさるとどんな効果が生まれるのか。

これは特別な体験になりそうと思って検索したところ、宿泊食事とセットで4万円と見てそっとブラウザを閉じました…。

moni

引きこもり中のゆるい推し生活を綴ります。スペインのセビージャでフラメンコ留学してました。趣味でピアノを習っていたのは4歳〜16歳くらいまで。素人です。話す言...

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