アレクサンダー・ガジェヴのウィグモア・ホール配信ライブ

今日4月4日(月)にロンドンのWigmore Hallから、アレクサンダー・ガジェヴのライブ配信がありました。
いやープロコフィエフのピアノ・ソナタ第7番めちゃくちゃかっこよかったんですけど!
獲物を狙う野生動物のような、狂気迫る演奏でした。
配信終わった後も何度か見直してたけど、アーカイブは非公開になってしまいました…残念すぎる。
アレクサンダー・ガジェヴ@Wigmore Hall
イギリス・ロンドンにあるウィグモア・ホールは、世界的なホール。全552席。
舞台上がルネサンス様式の大聖堂の壁画のような天井になっているのが印象的です。音楽神が描かれているらしい。
今回スタインウェイがイベントを主催していたようです。スタインウェイが作成したFacebookのイベントページでは、まだアーカイブが残ってました。YouTubeにもお願い…。
ショパンコンクールで個性的な演奏だったガジェヴさん。
いい感じに船酔いしそうなバルカローレや、ダースベーダーの闇落ちを思わせるポロネーズ第5番は強烈に覚えています。そして怖かったソナタ第2番。
すごく哲学的な方というイメージがあって、プログラムも演奏も、綿密に計算されたものがありそう。
そしてカワイのピアノの名手!表現したい世界観が明確で、カワイのピアノを上手に操る師だなと思いました。
そんなガジェヴさんがショパン以外のプログラムをどのように演奏するのか、楽しみに聴きました。
プログラム
ミニリサイタルような感じで、休憩を入れずに演奏されました。
シューマン:幻想曲 Op.17
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番 変ロ長調
ショパン:プレリュード Op.28-4
ショパン:エチュード Op.10-8
ガジェヴさんは最近のアーティスト写真がどこのイケメン俳優ですかと思うくらいとにかく美形で、コンクールの時の印象とあまりに違ってびっくりしていました。
が、今日はコンクールの印象のキリスト風いでたち。
私の中でガジェヴさんはこの絵文字🥸に似てるイメージなんだけど、今日はナチュラルヘアでより一層哲学者風です。
話それました。
シューマンの幻想曲は6月のリサイタルで弾く予定になっている曲。とても美しかったので、リサイタルで聴くの楽しみです。
そして、プロコフィエフのピアノ・ソナタ第7番がかっこよすぎました!これはすごい。
ガジェヴさんはすらりとして骨張った手が特徴。ピアノの鍵盤を捕えて離さないその様子は、まるで獲物を追う野生動物のようでした。
集中力と圧があって、狂気迫る音楽。獲物逃がさなかった。
弾き終えると同時に思わずPCの画面に向かって「かっけー!」って言ってましたわたくし。
アンコール1曲目はガラリと雰囲気を変えて、しっとりとしたショパンのプレリュード Op.28-4。
プロコフィエフのソナタに呼応するかのようなプレリュードに感じました。現在の状況もあって、アンコールのこの曲は沁みた…。
もう一度アンコールに出てきて、最後にさらりと速いエチュードOp.10-8。
立位体前屈が得意そうなガジェヴさんは、深々とお辞儀をして帰ってゆかれました。
野生動物と芸術
芸術家は動物だと思う時がたまにあります。人間にはなし得ないことができる野生動物。野生動物の体の動きや目。
今日のガジェヴさんの演奏を聴いて、厳しい野生動物の世界を見た気がしました。
これはリサイタルますます楽しみになったぞ。
プロコフィエフのソナタはどこかで生で聴ける機会があるかな?
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