読書感想文|ショパンに愛されたピアニスト ダン・タイ・ソン物語

本・Kindle

今回の本もKindle版がなかったので、図書館で借りて読みました。

ショパンに愛されたピアニスト ダン・タイ・ソン物語 -伊熊よし子著(ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス)

これはぜひKindle版を出してほしい!手元に置いておいて何度も読みたい。単行本だとプレミアが付きまくっていて買うのが難しいけど。

ダン・タイ・ソンさんの歩みだけでなく、人柄や考え方を垣間見ることもできて、ものすごくおもしろかった!

ピアノに触れたことがある方々にはダン・タイ・ソンさんは超有名なピアニストですが、物語性があるので普段クラシックを聴かない人が読んでも楽しめる本ではないかと思います。

今回もネタバレしない程度に「ショパンに愛されたピアニスト ダン・タイ・ソン物語」の読書感想文を簡単に書きます。

この本を読もうと思ったきっかけ

昨年10月のショパンコンクールの後にサブスク生活を始めて(遅っ)、いろいろなピアニストの演奏を聴いていく中で、ダン・タイ・ソンさんのCDを聴きました。

ドイツグラモフォンから出ているドイツ・ミュンヘンのライブ録音のアルバム

このアルバムの中の特にバラード第4番とスケルツォ第2番、繊細な音と独特の間がある表現にとり憑かれ!

ダン・タイ・ソンさんの演奏もっと聴きたいな、知りたいなと思っていた矢先に、この本の存在を知った次第であります。

小説のような本

第一章を読み終えた時点で思いました。「おもしろいぃぃ!」

物語性のある文章と、想像力を掻き立てるような描写が読みたくなる気持ちを刺激しました。小説のような本だ!

この本は波瀾万丈なダン・タイ・ソンさんの人生がノンフィクションで書かれているというだけでなく、各描写がとても細かくて、その時のダン・タイ・ソンさんの気持ちや考えたことも同時に追っていくことができます。

時系列に物語が進むのではなく、項目ごとに整理されて書かれているのも推理小説のようだったし、読みやすかったです。

ダン・タイ・ソンとショパンコンクール

ダン・タイ・ソンさんと言えば、第10回ショパンコンクール(1982年)の優勝者。2021年ショパンコンクールで優勝されたブルース・リウくんの師匠でもあります。

第10回のショパンコンクールはポゴレリチ事件の回で、いろいろな噂や憶測が飛び交った回だと思いますが、ダン・タイ・ソンさんはまさか自分が優勝するとは思ってなかったことが本を読むとよくわかります。

そもそも国際コンクールに出場するのが初めてで、コンチェルトを演奏したのも初めて(!)だったそうで、ご本人はそれだけでとても幸せだったことが本から伝わりました。

スーツを用意したお話は描写が目に浮かぶようで、ほっこり。

小さい頃からショパンやショパンコンクールへの憧れがあって、その舞台に立てるだけでも幸せだったのだろうなと、温かい気持ちで読み進めました。

ショパンコンクールでダン・タイ・ソンさんが弾いた録音のCDがあれば聴きたいのだけど、コンクール録音はレコードしかないのよね?公式じゃない動画はいくつかYouTubeに上がってるようだけど…。

ご自身もかなり驚かれたそうなショパンコンクールでの優勝。

そこから努力を続けられて、世界的な演奏家として実績を積まれて、2015年のショパンコンクールでは教え子が3名入賞、今回のショパンコンクールでは教え子が優勝と6位入賞と、すばらしい指導者としても活躍されていて、ショパンに、ピアノに愛された方なんだなと思いました。

ダン・タイ・ソンの子供時代

本を読んで、ダン・タイ・ソンさんは穏やかで落ち着いていて、物事を深く考える子だったような印象を受けました。

子供の頃に経験したベトナムの社会情勢。ベトナム戦争中の出来事は、ダン・タイ・ソンさんが人生を生きていく上で大切なことを考えるきっかけになったようです。

ベトナムでの子供時代、旧ソ連への留学、留学時代の話など、歴史的な背景と切り離せない経験をたくさんされていて、きっと強い心が身についたのだろうなと想像しました。

ダン・タイ・ソンさんと言えば紙の鍵盤で練習していたというお話が有名ですが、もっともっとたくさんの体験や人々とのつながり、特に母親との物語が、彼の土台になっているのだと思います。

子供時代、留学時代の経験が、ダン・タイ・ソンさんのピアノの演奏に大きく影響を与えたのだろうな。そう思うと、もう一度彼の演奏を聴いてみたくなりました。

ダン・タイ・ソンの交友関係

ダン・タイ・ソンさんのピアノを通じた交友関係も興味深かったです。

すばらしい師匠さんたちとの出会い。そこから学んだことや考えたこと。

ショパンコンクール前のポゴレリチとのお話
小和田雅子さんのお話
スヴャトスラフ・リヒテルのお話

などなど、彼の音楽が結んだ縁。

その時々の描写や、彼がその時に感じたことなど、まるでドラマを見ているような感覚で読みました。

ダン・タイ・ソンの人生と音楽

最後の最後の一文まで楽しんで読みました。

ピアノの専門用語については噛み砕いて書かれているし、登場人物についても説明が書かれているので、ピアノを知らない人でも興味深く読める本だと思います。

ワクワクするような文章を書いてくださった著者の伊熊よし子さんと、ご自身の人生経験や考えをここまでオープンに伝えてくださったダン・タイ・ソンさんに、ありがとうございますと言いたいです。

質素で謙虚に生きるダン・タイ・ソンさん。彼の豊かさは音楽に表れているのだと思います。

また生で演奏を聴きたいアーティストさんが増えました。今年の秋に来日予定?

この「ショパンに愛されたピアニスト ダン・タイ・ソン物語」は何度でも読みたい。だから、AmazonでKindle化のリクエストしました。みんなもリクエストして〜!

▶︎ ショパンに愛されたピアニスト ダン・タイ・ソン物語 -伊熊よし子著(ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス)

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引きこもり中のゆるい推し生活を綴ります。スペインのセビージャでフラメンコ留学してました。趣味でピアノを習っていたのは4歳〜16歳くらいまで。素人です。話す言...

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