ブルース・リウ ショパンバースデーコンサート 2022/3/1

配信&TV

212回目のショパンバースデーを記念したコンサート。

2022年3月1日19時(日本時間は翌日2日の午前3時)からはワルシャワ国立フィルハーモニーホールで、ブルース・リウ(Bruce Liu)くんの演奏の配信がありました。

深みのあって、ブルースくんの表現の幅を感じる演奏でした。アンコールもすばらしかったです。

アーカイブはChopin Instituteのチャンネルに残ってます。(リンクは記事下に)

ショパンのバースデーコンサート@ワルシャワフィルハーモニーホール

ショパンの212回目の誕生日を記念したコンサート、夜の部はワルシャワ国立フィルハーモニーホールで行われたブルース・リウ(Bruce Liu)くんの演奏が配信されました。

ワルシャワ国立フィルハーモニーホールはショパンコンクールの1次予選からファイナルまでが行われる場所で、ショパンコンクールの聖地とも言えるホール。ここでたくさんの歴史的な瞬間が生まれたのですよね。

ワルシャワのショパンに精通している観客の前で演奏するのは特別とインタビューでも言っているブルース・リウくん。

ショパンのバースデーコンサートでコンクール優勝者として演奏するのは、期待やプレッシャーがあっていい意味での緊張もあったのではないかなと思います。

そして、現在の状況の中で演奏するということも、ブルースくんにとっても観客にとっても、YouTube越しに観ていた私たちにとっても特別な意味のある出来事になったのではないかと想像しています。

ブルース・リウ演奏曲

演奏曲はこちら。6作品と、アンコール3作品です。

第一部
Nocturne in C sharp minor, Op.27 No.1
Rondo à la Mazur in F major, Op.5
Ballade No.2 in F major, Op.38
Ballade No.3 in A-Flat major, Op.47

第二部
Sonata in B flat minor, Op.35
Andante Spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major, Op.22

アンコール
Nocturne in c sharp minor Op.Posth.
3 Ecossaises Op.72 No.3,4,5
Waltz in A Minor, Op. Posth

この日のピアノはスタインウェイ。ピアノ選びの様子がインスタに上がっていましたが、2台のピアノから選んだようです。2台ともスタインウェイでモデルが違ったのかな。

バースデーコンサートの演奏

ブルース・リウくんのこの日の演奏はとっても深みを感じました。そしてスタインウェイのピアノということもあるのか、憂いがあるようなくもった音で、柔らかい印象。

マズルカ風ロンドでは、ファツィオリの時のキラキラした飛び跳ねるようなクリアな音とは異なり、雨音で遊んでいるような感じにも聴こえました。

緩急やリズムは抜群で、めちゃくちゃ好みです。コンクールの2次予選で初めてブルースくんの演奏を聴いたのがマズルカ風ロンドで、何これすご!と思わず手を止めたのを思い出しました。

ソナタ第2番、本当に心を打たれました。

深い第1楽章。とても大きかった。暖かさも感じる第3楽章。とても個性的な第4楽章好きです。

一つ一つの音を噛み締めているように見え、感情を揺さぶられた演奏でした。ブルース・リウくんの信念感じる姿もとても印象的に思いました。

繊細なアンダンテ・スピアナート。華麗なる大ポロネーズの玉のように転がる音は美しく、私もその音の粒の一つになりたいと思いました。全てを無にしてブルースくんが奏でる音の中に入りたい、そんな気持ちに、ね。

アンコールはブルースくんの想いを感じるようで、とても素敵でした。

感情を抑えた静かな遺作のノクターンは、柔らかい光に包まれていました。東京のリサイタルで聴いた時よりもまろやかな印象。

3つのエコセーズは子供の頃にCDでよく聴いていた曲で、私にとって思い出深い曲です。ブルースくんのバネのある左手が好き。そしてリズム感も好き。明るい曲調のエコセーズだけど、なんとなくしっとりしていて憂な感じが魅力的でした。

アンコール最後に弾いた遺作のワルツはブルース・リウくんが10歳の時に初めて習ったショパンの曲だそうです。

演奏直前にブルース・リウくんから、この日のコンサートについての思いが言及されています。(動画をどうぞご覧ください)

バースデーコンサート後のカンファレンス

3/1のバースデーコンサートの翌日、Chopin Institute主催のカンファレンスがあってブルース・リウくんがいくつかインタビューに答えていました。Chopin InstituteのFBページに動画がアップされています。

コンサートには臨んだ気持ちについて

僕にとって音楽は魂を浄化するものであり、全ての人々が境界なく一体になれる共通言語
(中略)
私が具体的に何かできる訳ではないけど、私自身が音楽家として表現できることだから

アンコール最後のワルツを初めて演奏した時のこと

9歳くらいの時で、電子ピアノで練習していた
重大な病気で2週間病院に入らなきゃいけなくて、その退院後すぐが最初の演奏(人前でのパフォーマンス)だった
素敵な思い出です

それ以外には今後のピアニストとしての展望や、ピアノを趣味として続けることについてなどの質疑応答がありました。

コンクール後に他の国で演奏したことの感想として、「日本は(コロナ禍で)ブラボーなど言えないからものすごく静かだった」と言っていて、ある意味日本の印象がとても残っていそうでした。

次ブルースくんが来日する時はみんなで「ブラボー」言うからまた来てほしいな。

アーティスト ブルース・リウ

時々節目がちになる瞬間があって心配してしまったけど、ブルースくんは落ち着いて自分を表現していました。音楽家さんは演奏中はものすごく客観的だと言うもんね。

音楽家としての大きさを感じさせてくれた演奏でした。きっとこの数ヶ月で大きく成長されているのだろうなとも。

特にソナタ2番とアンコールは、個人的に特別な思いを感じながら聴きました。

それと、Chopin Instituteのカメラワークが良かったです。ブルースくんの美しく長い指に見惚れました。

素敵なコンサートをありがとう。

Bruce Liu | Fryderyk Chopin 212th Birthday Concert

moni

引きこもり中のゆるい推し生活を綴ります。スペインのセビージャでフラメンコ留学してました。趣味でピアノを習っていたのは4歳〜16歳くらいまで。素人です。話す言...

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