ブルース・リウ ブラジルのコンサート&リサイタル配信視聴

配信&TV

12/12と12/14にブラジルで公演されたブルース・リウ(Bruce Liu)コンサート、リサイタルがそれぞれYouTubeで配信されました。

ブラジルと日本の時差は12時間あるので、実際に観たのは13日朝5時〜と15日朝8時〜です。

13日は寝ずに2時〜ガジェヴさんのリサイタル配信を観て、15日は早めに寝て起きて5時〜イ・ヒョクくんのインスタライブを視聴してからブルース・リウくんの配信を観たので、体内時計がヘンテコなことになって心なしか体がキツいです。←

配信時間がコロコロ変わったり、演奏曲が事前の告知と違っていたり、ラテンな血を感じたオペレーションでしたが、無料でコンサートやリサイタルを視聴させていただくことができて本当にありがたいです。

12/12 ブラジル交響楽団との共演@リオデジャネイロ

12日はブラジル交響楽団(Orquestra Sinfônica Brasileira)との共演でした。

場所はリオデジャネイロのセシリア・メイレレス劇場(Sala Cecília Meireles)で収容人数は670席。ホテル→映画館→室内楽向けホールという改築の変遷があるホールだそうです。

第一部

1部はブルース・リウくんのソロ。

1部演奏曲
Rondo à la Mazur in F major, Op.5
Andante Spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major, Op.22

黒いマスクをつけて舞台に登場されました。ブラジルはコロナ対策がなかなか厳しいのでしょうか。

ホールの音響なのか配信のチューニングの問題なのか、最初は音が遠く感じました。カメラワークはいい感じ。後ろの照明はクラブみたいだけど。

この日のピアノはスタインウェイ。音がとても柔らかく聴こえます。転がるようなブルースくんの表現が優しく響いてる。

アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズが優しい〜。玉のように転がる音とドラマティックな演奏が本当に魅力的です。

ピアノを愛でるような音を聴いていると、ブルース・リウくんてすごく優しい人なんだろうなと思う。

第二部

2部はブルースくんジャケットを着て登場。オケメンバーもマスク。マスクができない管楽器は1人1人の間にアクリル板が設置され、コロナ対策にかなり気を遣っていることが伺えました。

2部演奏曲
Concerto in E minor, Op.11

オケさんは調子が悪かったのか(?)小節の入りをわかりやすく間違えたり、テンポや音のバランスが不安定な感じが気になったけど、ブルース・リウくんが底上げしていた感じで頼もしく見えました。

雫のような第2楽章が素敵だった。

毎回異なるオーケストラと合わせるのは、私なんかが想像もつかないほど大変なこともあると思います。毎回異なるピアノを弾くことを楽しんでると言ってたブルースくんなら、異なるオケとの演奏も新鮮な気持ちで楽しめそうですが。

即興で演奏されるフラメンコも歌、ギター、踊りと舞台ごとに異なる3人で合わせますが、よく言われる「三位一体」でなければならない。ある先生は「同じ船に乗っている」と例えていました。

誰かが暴走したり、(舞台上で演奏を通して)会話しよう、一つになろうという思いがそれぞれになければ、船は沈んでしまう。

だからみんなで同じ船に乗って、一つの方向に進むように協力する。コンチェルトの演奏も似ているところがあるのかなと思いました。

アンコール

コンチェルトの演奏が終わって挨拶してはけて舞台に戻って花束をもらってまた舞台に戻って、アンコールがやってきました。

アンコール
Tchaikovsky -Dance of the Four Swans
Rameau -Rondeau des Sauvages from Les Indes Galantes

アンコール1曲目はチャイコフスキーの四羽の白鳥の踊り。

ものすごく素敵で!いや〜うっとり。はごろもフーズばりの水の粒たちがピアノの上でコロコロ転がっているようでした。

ショパンコンクールの時から言ってるけど、ブルース・リウくんは曲の終わり方がかっこいい。四羽の白鳥もめっちゃ粋に弾き終えました。

アレンジされているぽかったので気になってYouTube調べたら、Yuja Wangさんがこのアレンジで弾いているのを見つけました。そこに記載されていたのは「Arr. for Piano by Earl Wild」Earl Wild氏のアレンジのようです。

YouTubeにはEarl Wild氏のご本人のライブ音源と思われるものがありました。公式動画ではないようなのでリンク貼るのはやめておくけど、「Earl Wild 4 swan」で調べたら出てきます。Earl Wild Live: Tchaikovsky-Wild, Dance of the Four Swans (1990)というやつ。

またまた拍手が鳴り止まず、ブルース・リウくんアンコールに登場。椅子に座ってオケの人の方向いてから、頭の横で指をくるくるしていたので「頭をリフレッシュしてる」「なに弾こうか考えてる」だったのかな。

アンコールで弾く曲って事前に決めてないものなんですね。

アンコール2曲目はラモー。この曲を知らなかったのでリアタイ中はバロックということしかわかりませんでしたが汗、後でチャットを見たらChopin Instituteが曲名を書いてくれていました。

湿があってこもっているようなこの日のピアノの音に合っている気がしました。リサイタルのアンコールでバッハを聴いた時のように、ブルース・リウくんのバロックも聴いてみたいなという気持ちに♪

終わったら寝ようと思ってたのに、この素敵アンコールのおかげで寝られなくなったじゃーんブルース!

リオデジャネイロ公演のアーカイブ

アンコールで弾いた4羽の白鳥アレンジバージョンは、2019年のチャイコフスキー国際コンクールの一次予選の最後に弾いていました。medici.tvのpiano>replayで見られます。

12/14 リサイタル@サンパウロ

14日はブルース・リウくんのソロリサイタル。

会場となる「Sala São Paulo」は収容人数が約1500人。ここも歴史が面白くて、最初は鉄道会社のオフィス兼鉄道駅だったそうです。ボックス型のデザインがホール。行ってみたい!

休憩なしの4曲演奏

この日も黒いマスクをして登場。

演奏曲
Rondo à la Mazur in F major, Op.5
Ballade in F major, Op.38
Sonata in B flat minor, Op.35
Andante Spianato and Grande Polonaise Brillante in E flat major, Op.22

ソナタ第2番の後に一度袖に戻ったけど、休憩なしで4曲演奏されました。

12日の配信より音がきれいに聴こえました。左側から手をアップに写すカメラワークがとても良かったです。

PC画面の指紋が目立つほどの漆黒に浮かぶ鍵盤とブルース・リウくんの手。ブルースくんの長い指の美しきこと!

ソナタ第2番素晴らしかった。ドラマティックな第1楽章。内圧の第2楽章。神聖な第3楽章。もやの中にいるような独特なスピードある第4楽章。Divine Sonata!!

ブルース・リウくんの「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」は私のお気に入りで“the best of Andante Spianato and Grande Polonaise”です。この日はとてもフレッシュな音で、芽吹いたばかりの草木がキラキラ光っているようでした。はぁ幸せ。

アンコール

私も興奮してたけど、会場のお客さんも大盛り上がり。大盛況の中、アンコールになりました。アンコールはなんと4曲も!

アンコール
Rameau -La Poule
Rameau -Les Tendres Plaintes
Chopin -Etude Op.10 No.5
Tchaikovsky -Dance of the Four Swans

1曲目のラモー「La Poule」はフランス語で雌鶏(めんどり)という意味。美しく跳ねたり転がったりする音♪空気をガラリと変えたように見えました。

子供の頃聴いてた時は全く気づかなかったけど、ラモーの曲って装飾が独特だなと改めて聴いて思いました。ロココの影響が音楽に入ってるからなんですね。歴史理解不足で恥ずかし。

鳴り止まない拍手の中再度登場したブルースくんは、ポケットからおもむろに何かを取り出しました。

緑色の、なに?と思ってたら、まさかのブラジルの国旗!

なぜ?なぜブラジルの国旗を持ってるの?😂

そのブラジルの国旗をピアノに乗せて、Byeと粋に手を降って舞台袖へと戻っていきました。

このタイミングでブラジルの国旗をぽっけから出し、会場と視聴者を沸かせられるのは彼しかいない!類稀なるスター性です。

こんなキュートなことされたら終われるわけないでしょ!お客さんは大盛り上がりです。再度登場。

アンコール2曲目はラモー「Les Tendres Plaintes」フランス語で「やさしい訴え」と言うそうです。この曲めっちゃチェンバロですね。ピアノだと儚い響きに聴こえます。

はい、お客さんもう拍手止まらないぃぃ。歓声も上がるぅぅ。

3曲目は東京リサイタルのアンコールでも弾いてくれたエチュード「黒鍵」。ブルースくんの「黒鍵」は最後の畳みかけ方が絶妙に好きだから、CDのボーナストラックに入れてほしかった。

ご本人的にはこれで終わりの予定だったのかな?前方と後方にお辞儀をして舞台袖へ戻っていかれました。

でもまだ帰してくれないお客さん。ラテンの血の盛り上がりはすごいね!

もう一度戻ってきてサッと椅子に座りました。えー!4曲目弾いてくれるの!潔さがかっこいいです。

アンコール4曲は想定していなかったのか「何弾けばいいかわかんない」みたいなポーズしてました。お客さんから歓声が上がり「あざす」みたいに軽く会釈。素直でsoooo cute.

最後は12日のアンコールでも弾いた白鳥の湖 Earl Wildアレンジバージョン。この曲ほんと素敵ですね!

配信で観ているこちらも興奮したけど、現地のお客さんの盛り上がりがすごかったです。今まで観た中で一番熱狂していたように思う。そして、ここまで観ている人を熱狂させられるブルース・リウくんが一番すごい。

サンパウロ公演のアーカイブ

アンコールで弾いたラモーの3曲をブルース・リウくんが弾いている動画

ブラジルのインタビュー

ブラジルメディアのインタビューで、またまた素敵なブルース語録を見つけたので保存しました。以下は一部を抜粋しています。

何世紀も弾かれてきたショパンの曲にどのように新しい解釈を見つけているか?

A música é um espelho de nossa personalidade
音楽は私たちの個性を映す鏡です

異なる社会や環境を生きていて、食べるものや技術も異なる。それらは生活に、音楽に影響を与えています。
音楽は生活とリンクしている、生活が変わればそれに伴って音楽も変わります。

あなたにとって自発性、自然発生的(spontaneous)とは?
広い視野を持つこと。芸術をブロック(封鎖)した瞬間に、危険な状態になります。自発的、自然発生的になることは、説得力があって明確な論理があること。でもその論理、ロジックに止まることはありません。

É sempre uma descoberta e para isso não podemos parar nunca.
それは常にある発見であって、だから私たちは停止することはできないのです。

Correio Brazilienseのインタビュー記事

ブラジルから配信ありがとう

16日はブラジリアでリサイタルがありますが、こちらはブラジリアのポーランド大使館関係者ご招待によるコンサートらしく、一般発売はしていないようです。

ショパンコンクールで優勝してからほぼ休みなしで公演されているブルース・リウくん。ブラジルから配信を通して煌めく音楽を届けてくれてありがとう。

11月に東京でリサイタルを観られたことを思い出し、忘れられない時間だったなぁ。私の今年のハイライトだったなぁと、再び幸せな気持ちになりました♡

インスタではリオデジャネイロのプールでくつろぐ姿がアップされていて、夏を満喫されているようで羨ましき。ブラジルの公演が終わったら、しばし休めるのでしょうか。

年明けの日本公演がキャンセルにならなければ、そこからまた公演の嵐なのだと思うけど…ピアニストは体力勝負な仕事だNE!

ガラコンサートで彼の演奏を聴くことができますように♪

moni

引きこもり中のゆるい推し生活を綴ります。スペインのセビージャでフラメンコ留学してました。趣味でピアノを習っていたのは4歳〜16歳くらいまで。素人です。話す言...

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