クライバーンピアノコンクール2022:1次予選1日目

コンクール

ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール2022の1次予選(Preliminary Round)が始まりました。

日付が変わった深夜帯と今日AMのセッションはリアタイで。日本早朝帯の演奏はリアタイでは観られなかったので、アーカイブ視聴。

1日目はなんと言ってもトップバッターがゲオルギス・オソキンス様!(弟さんの方)

オソキンスワールド感じられた。ほんと好き。

1次予選1日目に印象に残った演奏などを書きます。

ストリーミング配信されるコンクール

ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールはストリーミング配信されています。

配信プラットフォームは公式サイト、medici.tv、YouTubeの3つ。公式サイトのトップページから各プラットフォームに飛ぶことができます。AUDIENCE AWARD VOTEから毎日1人に投票もできるよ!

現地時間の午前、午後、夜の3つのセッションがあります。日本時間だと日付が変わった深夜、早朝、午前なので早朝の分はリアタイできず。

深夜帯と午前のセッション分は公式サイトのプラットフォームで観ました。早朝セッションのアーカイブはYouTubeで視聴。

こちらのコンクールは配信向けに司会進行のお2人がいて、図らずも英語のヒアリング練習もできるというありがたい形式です。

初日ということもあってか配信の音量調整がうまくいかなかったようで、初めは音が割れて聞こえて途中から音量がいきなり小さくなったりと、セッション1は少し聞きにくかったです。

朝スピーカー繋げて音調整しながら大音量で聴き直したWA.

印象に残った演奏

自分の好みだったコンテスタント、好きだった演奏です。

Georgijs Osokins, Latvia
ゲオルギス・オソキンス(ラトビア)27歳

SCRIABIN Sonata No.9, op.68 (“Black Mass”)
HOUGH Fanfare Toccata
CHOPIN Sonata No.3 in B Minor, op.58

トップバッターのオソキンス様!

髪ちょっと切った?登場してやっぱり椅子低っってなったけど、生配信のオソキンス様が嬉しすぎてソワソワ。

以前にインタビューで午前の演奏はあまり…と言っていたので朝苦手なのかなと思って、なぜか私が緊張してました。(なんでだ)私は超夜型なので朝が苦手な人の気持ちはわかる。

とにかく自分の世界観に引き込んでくれる方なので、というか無条件に引き込まれるので、不気味さと妖艶さ際立つスクリャービンの「黒ミサ」で完全に釘付け。

そして2曲目課題曲のハフのトッカータがとてもよかった!麗しいぃぃとても好き。

トップバッターで新鮮だったからというのもあるかもしれないけど、1日目の課題曲演奏の中ではオソキンス様がダントツで好みだった。

強弱と静寂のコントロールがもたらす、光と水が遊んでいるようななんとも煌めく音楽。後の演奏と聴き比べると、この麗しさはオソキンスワールドだったんだなぁととても感じました。

オソキンス様のショパンのピアノソナタ第3番はショパンコンクール2015の演奏をCDやYouTubeで何度も聴いてるのだけど、少し演奏アプローチ変えたのかな?特に第2楽章は柔らかくなって第3楽章はあっさりした印象。

生まれたての音楽のような即興性。音を先取りしたり右手と左手をずらして弾く奏法(名称なんて言うんだろう?)がかっこいいよねぇ。第4楽章はめっちゃオソキンス様でした。

1曲ごとに拍手が入ってたけど、楽章間で拍手が入るとは思わなかった。ソナタは拍手なしで弾かせてほしかったなとか思ったり…。

オソキンス様の演奏は即興性をとても感じる。ご本人も「improvising」は意識してると言っていたけど、本当の意味で攻めた即興しているように見える。そしてそのセンスが抜群。だから「一瞬の芸術」に惹きつけられるのだよね。

課題曲は楽譜を見てもいいらしく、譜めくりの方がいらっしゃいましたが、トッカータ演奏後に譜めくりの方に笑顔を見せたオソキンス様が素敵すぎました。これはキュンどころの話ではない!

オソキンス様は舞台上ではあまり笑顔を見せるイメージがなかったので(舞台じゃなくてもそうかな)、こんな笑顔を見せるのね!と射抜かれた。貴重な笑顔シーンはリピ決定。

配信の音量調節がうまくいってなさそうだったのがマジで残念。

おすすめ記事 ▷ ゲオルギス・オソキンスの音が聴きたい!光をくれたピアニスト

Jonathan Mak, Canada
ジョナサン・マク(カナダ)25歳

HAYDN Sonata in A-flat Major, Hob. XVI:46
HOUGH Fanfare Toccata
RACHMANINOV Variations on a Theme of Corelli, op.42

現地時間午後のセッション2の最初のコンテスタント。

大手町にいそうなめちゃ仕事できそうな風貌で、ハイドンのソナタをとても上品に演奏されていたギャップが印象的でした。いやむしろ、大手町だからこその上品さなのかもしれない。

2曲目ハフのトッカータでは足元からタブレットの楽譜を取り出しました。譜面台なしで設置できるタイプらしく「なんか先進的〜」とここでは六本木のIT感だったのですが、驚いたのは譜めくりの人がいないこと。

どうやって譜めくりされてたの?Bluetoothか何かで遠隔で!?それとも時間に応じて自動で譜めくりされるパターン?まさかタブレットのAIが演奏を聴いてオート譜めくりできるとか?

と想像をめちゃくちゃ膨らませたけど、演奏後に足元からも何か取り出してたので自分の足で何かを操作して譜めくりしてたっぽい。自給自足な感じが新しかったです。

ちなみに次のコンテスタントAnna Geniushene(アンナさん)も同じ方式でした。時代は進化してるのぅ。

Andrew Li, United States
アンドリュー・リィ(アメリカ)22歳

HAYDN Sonata in D Major, Hob. XVI:42
HOUGH Fanfare Toccata
STRAVINSKY Trois mouvements de Pétrouchka
LISZT Hungarian Rhapsody No.6

セッション2の3人目。とても若く見えた22歳。

とてもまっすぐで心地よいハイドンのソナタで引きつけました。課題曲のトッカータやペトルーシュカはとてもフレッシュ。特にペトルーシュカの連打がとっても鮮やかでお見事でした!

全ての音をきちんと弾く優等生っぽい感じです。小柄に見えるけど迫力ありそうな演奏で、難曲もスラスラ弾いてました。フレッシュ!

若さ感じる華やかな演奏で、リサイタルとしても楽しく聴くことができた。

Tianxu An, China
ティアンシュ?・アン(中国)23歳

GUBAIDULINA Chaconne
MENDELSSOHN Variations sérieuses, op.54
HOUGH Fanfare Toccata
LISZT Mephisto Waltz No.1

お名前の読み方がわからずごめんなさいー。司会の人の発音を聞くと、Tianxu(ティアンシュまたはチャンシュ)さんなんでしょうか?

配信観て初めて気づいたけど、この方2019年のチャイコフスキーコンクールのファイナルで話題になった方だ。

もともと用意していた演奏順と異なる協奏曲をオケが弾き始めてしまい(楽譜をスタンバイする人のミス)、動揺しながらも演奏し、コンクール側から演奏し直しを提案されたけど「確認しなかった自分のミスです」と断ったという勇者さん。まだ23歳だったのね。

全身を使った渾身の姿勢が印象的。すごく真面目な方なんだろうなぁ。彼のなんとなく陰な感じがメンデルスゾーンの曲に合ってる気がした。

メンデルスゾーンと聴いてダンタイソン氏を思い出したのだけど、ダンタイソンさんのプライベートレッスン受けてるとプロフィールに書いてありました。ダンタイソンさんは本当に生徒を伸ばす名師匠なんだろうなぁ。

メフィスト・ワルツの連打の嵐をガンガン弾きこなし、肩こりそうなくらいと思ったけど、小柄な体には体力筋力が宿っていそう。

退場した後すぐメガネ外して、両手でコップを持ってお水を上品に飲み、周りの人に会釈しながらまたお水を飲み、気遣いのあるいい方に見えました。

Masaya Kamei, Japan
亀井聖矢(日本)20歳

HOUGH Fanfare Toccata
CHOPIN Etude in A Minor, op. 10, no. 2
BERG Sonata, op. 1
LISZT Réminiscences de Norma

亀井聖矢さんは今回のクライバーンコンクール出場者の中で最も若いピアニストだと司会の人が言っていた気がしたけど、10代の参加者いるので今日の中で一番若いという意味かな?

亀井さんもトッカータはタブレット楽譜で、譜めくりの人がタブレットを操作。紙の楽譜はめくり漏れはないだろうけど、タブレットだとうまく反応しなくてめくり漏れがありそうで逆に怖いと思ってしまう。

亀井さんは20歳と若いけど、オールラウンドプレーヤーな感じですね。

ショパンの難しエチュードからアルバン・ベルクの十二音技法系、リストの超絶技巧と迫力の曲まで、確かな演奏技術と幅広いアプローチを感じさせる演奏でした。

亀井さんは体格にも恵まれていそうで、ご本人の性格も落ち着いているように見え(インタビュー見てもそう思う)、重みを感じる音楽が魅力だと思いました。

深夜覚醒

昨夜はセッション1を観てから寝ようとしたけど、オソキンス様を聴くと覚醒されてしまう感じがあり興奮してしまったので、オソキンス様の子守唄を聴いてから寝ました。←

素人目線でも選曲と演奏順て重要なんだなと思う。

コンクールだと多彩なことを魅せないといけないだろうし、リサイタルとしての楽曲のまとまりや盛り上がりも必要なのかなと考えると、選曲と演奏順でかなり印象が変わるよね。

今日の夜中から2日目始まります。今夜は出かけるからアーカイブ視聴する!

各コンテスタントの演奏はmedici.tvでコンテスタントごとにアーカイブ検索して聴くことができます。
▶︎ cliburn.medici.tv

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引きこもり中のゆるい推し生活を綴ります。スペインのセビージャでフラメンコ留学してました。趣味でピアノを習っていたのは4歳〜16歳くらいまで。素人です。話す言...

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