クライバーンピアノコンクール2022:1次予選3日目

もう結果が出ておりますが、昨夜から今朝に観たクライバーン国際ピアノコンクール1次予選3日目の感想を書きます。素人の個人的な感想です。
最後に出てきた18歳の韓国のユンチャンさん(Yunchan Lim)がなかなかに衝撃。
最終日も魅力的なピアニストがたくさんで、ソワソワ結果発表を見ました。
配信プラットフォームは公式サイト、medici.tv、YouTubeの3つ。公式サイトのトップページから各プラットフォームに飛ぶことができます。AUDIENCE AWARD VOTEから毎日1人に投票もできるよ!
印象に残った演奏
マルセル田所 フランス/日本 28歳
HOUGH Fanfare Toccata
RAMEAU “Musette en rondeau” from Suite in E Minor, RCT 2
BEETHOVEN Six Variations on an Original Theme in F Major, op.34
LISZT Transcendental Etude No.5 “Feux follets”
STRAVINSKY Trois mouvements de Pétrouchka
課題曲のトッカータはちょっと緊張してるのか、暗譜が怪しいのかなと思いましたが、後半に向けて調子を上げて最後のストランヴィンスキー「ペトルーシュカ」が華麗でした。
なんとなくお人柄もそうなのかと感じましたが、柔らかい雰囲気で、ガンガンいくペトルーシュカではなくて可憐なペトルーシュカでした。あくまでも配信での感じだけど音がきれい。
得意曲なのかご本人も楽しそうに弾いていたのが印象的でした。
フェデリコ・ガッド・クレマ(イタリア)23歳
SCARLATTI Sonata in D Minor, K.213
SCRIABIN Fantasy in B Minor, op.28
MENDELSSOHN Variations sérieuses, op.54
HOUGH Fanfare Toccata
ショパンコンクールの時も思ったけど、暗い曲が好きなのかな?スクリャービンの幻想曲、メンデルスゾーンの変奏曲、重ための曲が連続したけどとてもよかったです。
手は割とムチッとしてるけど、指の軌道が美しい。そして彼は立ち振る舞いがスマートだね。袖にいるスタッフに対する対応や、お辞儀の仕方がジェントルマンな感じがした。
キム・ホンギ(韓国)30歳
SCARLATTI Sonata in B Minor, K.87
SCARLATTI Sonata in B Minor, K.27
SCARLATTI Sonata in G Major, K.13
SCARLATTI Sonata in G Major, K.455
HOUGH Fanfare Toccata
TCHAIKOVSKY–PLETNEV Suite from The Nutcracker
読み方は「ホンギ」さんで合ってるのかな?
スカルラッティのソナタ連続がすばらしかった。派手ではないけど落ち着いていて、抑制された美観を感じさせるソナタ。
プロフ写真とだいぶイメージ違うちょっとイカつそうな見た目で、軽やかにくるみ割り人形を弾く姿のギャップ。トレパークの後少し笑顔に。楽しかったのかな?
スカルラッティとくるみ割り人形というユニークなプログラムで、最初から最後まで楽しめました。
ケイト・リウ(アメリカ)28歳
SCHUBERT Allegretto in C Minor, D.915
HOUGH Fanfare Toccata
PROKOFIEV Sonata No. 8 in B-flat Major, op.84
ケイト・リウは華奢な体とは思えないバネのある演奏がものすごく特徴的。
プロコフィエフのソナタは音だけ聴いていたらとても大きな男性が弾いてると思うのではないかというほど、厚みのある音楽でした。この華奢な体のどこからその圧が出てくるのだ!
そして独特な彼女の世界観。たっぷり演奏するところが特に惹きつけられます。画になるピアニスト。リサイタル感がとてもあって引き込まれた。
シン・チョンヨン(韓国)28歳
HAYDN Sonata in C Major, Hob. XVI:50
HOUGH Fanfare Toccata
CHOPIN Nocturne in B Major, op.62, no.1
GRANADOS “Los requiebros” from Goyescas, op.11
プロフ写真見た時、韓流スターかと思いました。BIG BANGにいた?
寛雅なハイドンのソナタが好印象。課題曲以外にはショパンのノクターン、グラナドスの「ゴジェスカス(ゴイェスカス)」”愛の言葉”と多彩なプログラム。
ノクターンはウェットな演奏で、ロマンティストな方かなと思いました。素敵だった。グラナドスもスウィートで、スペイン的な甘さよりフランスっぽい感じがました。グラナドスはカタルーニャだからかな。
That’s sweety.
イム・ユンチャン(韓国)18歳
HOUGH Fanfare Toccata
COUPERIN “La Couperin” from Pièces de clavecin, Book IV, order 21
MOZART Sonata No.9 in D Major, K.311
CHOPIN Variations on “Là ci darem la mano,” op.2
すごい18歳だった。
クープランがとても繊細で美しく、女性的な感じがクープランのイメージにぴったり。続くモーツァルトも線が細い感じが上品ですばらしかった。
ショパンの「お手をどうぞ」の変奏曲はゆったり始めたかと思ったら、途中から超高速に。よく手が動くなと思うほど。ヤングーーー!
強い音や衝撃で迫る感じではなく、上品に名技を魅せてくれるところがスマート。特にクープラン、モーツァルトの美しさがなかなか衝撃でした。
韓国勢が印象に残った
最終日は韓国の方が多く、みなさん素敵な演奏でした。なんとなく皆さんエレガントな感じがするのは、韓国のお国柄とかあるのかしら?
1次予選の結果はすでに出ていて、2次予選に進む18名が発表されています。
まさかのオソキンス様が1次予選通過していなくてショックです…というか信じられない。
オソキンス様が弾く課題曲スティーヴン・ハフの「ファンファーレ・トッカータ」がやっぱり好きと思って、聴き直したところ。
各コンテスタントの演奏はmedici.tvでコンテスタントごとにアーカイブ検索して聴くことができます。
▶︎ cliburn.medici.tv
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