クライバーンピアノコンクール2022:セミファイナル3日目

ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールのセミファイナル3日目です。
早朝の起床は無理だったー。朝早めに起きてリサイタルの分はアーカイブ視聴しました。起きられる人たちすごいよ…。
印象に残った演奏などを書きます。素人の個人的な感想です。
Contents
リサイタル3
イム・ユンチャン(韓国)18歳
LISZT 12 Transcendental Etudes
自分の世界に入っていたのか、スーって足速に出てきてサッと座ったと思ったら拍手鳴り止まぬうちに弾き始めた。リストの超絶技巧練習曲12曲。
すご!すごいとしか言葉が出てこず思わず笑ってしまった。人ってすごいと笑うんだよね。
「マゼッパ」ってこの速さで弾けるの!?と思って見てたら、次の「鬼火」も超高速でびっくり。しかも余裕っぽい…。オクターヴの連打は破壊的衝動に駆られるのかちょい心配になったけど、「回想」は神秘的で柔らかい音も聴けた。
いやーなんか圧倒され続けました!集中力もすごい。
1次予選の上品で繊細なモーツァルトとのギャップにも驚いた。予選ごとに色々な引き出しを見せてくれます。
大人しそうな少年。只者じゃない感。
イリヤ・シュムクレル(ロシア)27歳
BRAHMS Variations and Fugue on a Theme by Handel, op.24
PROKOFIEV Sonata No.8 in B-flat Major, op.84
ブラームスの「ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ」は、出だしのアリアで既に素敵と思いました。
曲ごとに見える景色が違って、ヘンデルの明るく華やかなものも感じた。丁寧に音を出している姿も印象的。
プロコフィエフのソナタ、ペダリングが好みでした。神秘的な部分と乾いた音を際立たせる部分と、色彩がはっきりしていたように思います。
曲ごとの多彩な変化が楽しめる演奏だった。
モーツァルトのコンチェルト2
今日は20番が2人、19番と25番が一人ずつでした。
ユトン・ソン(中国)26歳
MOZART Piano Concerto No.20 in D Minor, K.466
ユトンさんの静寂のコントロールが本当に好き。とても惹きつけられるカデンツァ。
2楽章はとても深い歌が印象的だった。ロマンツェ(ロマンセ)だから語るような伝承歌のイメージなのかな。
外側に表現するのではなく内に向かっていく感じの音楽で、音楽と対話しているような姿勢に見えます。それに引き込まれまくる私。
亀井聖矢(日本)20歳
MOZART Piano Concerto No.19 in F Major, K.459
リサイタルの時とは異なる亀井さんの音色が聴けました。フレッシュな亀井さん。
とても華やかなモーツァルトで、伸び伸びしてました。とっても楽しそう!
亀井さんも左手で指揮するように弾いてました。まるでその手で音楽を空中に浮遊させているよう。伸びやかな第2楽章すばらしかった。
パク・ジニョン(韓国)26歳
MOZART Piano Concerto No.20 in D Minor, K.466
私の美容師さんにそっくりなパク・ジニョンさん。
ちょっとシャープなモーツァルトかなと思ったけど、強弱やスタッカート、装飾が個性的でした。
そして第1楽章のカデンツァがよく演奏されることが多い気がするベートーヴェンのではなかったのでとても新鮮で、お!となりました。第3楽章もカデンツァが聞いたことないやつだったので(最後だけよく演奏されるスタイルだった)調べたら、どうやらご自身作のカデンツァのよう!?
音を詰めすぎな印象が少しあったけど、コンクールで創作能力も見せてくれるとは、才能とすばらしい勇気!そう言えばインタビューで子供の頃に作曲始めましたって言ってたかも。
アナ・ゲニーシュナ(ロシア)31歳
MOZART Piano Concerto No.25 in C Major, K.5033
第一音がとってもまろやかでうっとりした。ホールを丸ごと包むような広がりのある音楽に聴こえました。
2次予選の重厚なブラームスと、どっしり重量感のあるバルトークがとても印象的だったけど、そのイメージとモーツァルトの協奏曲が全然違う。
ピアニッシモに光る優しいお母さん感。まあるい音楽が美しかった。
明日は4日目
濃い3日目だった。
指揮者のニコラス・マギーガン氏がなかなかチャーミングな感じで、動きを楽しみながら視聴しました。こういうコロンとしたおじさまキュートよね。
早朝はやっぱり起きるのが無理なので、早めに起きてアーカイブを視聴するというスケジュールでいきたいと思います。ファイナルは1日だけ早朝に起きるのがんばる。
各コンテスタントの演奏はmedici.tvでコンテスタントごとにアーカイブ検索して聴くことができます。
▶︎ cliburn.medici.tv
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