フランスanimatoのコンクール2021配信 2次予選視聴

コンクール

12月4日〜7日まで、フランスでanimatoという機関主催のショパンのコンクールが開催されています。ワルシャワ開催の第18回ショパン国際ピアノコンクールとは全く別のコンクールです。

フランス語のサイトを自動翻訳にかけると、どうやらanimato側から招待された参加者によるコンクール(?)らしく、ショパン国際ピアノコンクールに出場したメンバーがほとんどです。

1次予選は配信なしで既に終了。2次予選は昨日と本日配信があり真夜中でしたが視聴したので、簡単な感想を書きます。1次予選・2次予選ともに全員出場という形式のようです。

animatoショパンコンクール2021の出場者

フランス開催のanimatoコンクール2021の出場者はこちらのメンバー。(演奏順)

Piotr Alexewicz(ピオトル・アレクセヴィチ)ポーランド
Viêt Trung Nguyên(ヴェト・チェングウェン)ベトナム/ポーランド
Fantee Jones(ファンティー・ジョーンズ)アメリカ
Michelle Candotti(ミシェル・カンドッティ)イタリア
Yuanfan Yang(ユアンファン・ヤン)イギリス
Aristo Sham(アリスト・シャム)中国/香港
Sergey Belyavskiy(セルゲイ・ベリャフスキー)ロシア
Avery Gagliano(エイブリー・ガリアーノ)アメリカ
Yutong Sun(ユトン・ソン)中国
Hyuk Lee(イ・ヒョク)韓国
Eric Guo(エリック・グオ)カナダ

ワルシャワ開催のショパン国際ピアノコンクールに出場していた方々が、半数以上いらっしゃいます。

4日の1次予選、5日・6日の2次予選は全員出場で、7日のファイナルはここから数名ということのようです。

なお、第18回ショパン国際ピアノコンクール優勝のブルース・リウくんは過去animatoの2016年コンクールで3位と聴衆賞、2位だったアレクサンダー・ガジェヴさんは2018年コンクールで2位を受賞されています。(公式サイトのアーカイブより)

予選の選曲

1次予選は配信がありませんでした。プログラムを見る限り、エチュード数曲、ノクターン、バラード、スケルツォ、ソナタやポロネーズなど、1次予選は結構長めのプログラムぽかったです。

2次予選は持ち時間が45分程度のようです。ワルツ、ソナタ、バラード、ポロネーズ、プレリュードなど。課題曲が24のプレリュードのNo.7(太田胃散)らしく、みんな最初にこの曲を弾いていました。

とても短い曲なのになぜこの曲が課題曲なのか?コンクールで緊張しないように、コンテスタントの心を落ち着かせるためなのかな?と考えてしまいました。

プレリュードOp.28-7賞(つまり太田胃散賞)があるそうです。これも謎。太田胃散がスポンサーだったりしてとTwitterのフォロワーさんがおっしゃっていたので、真相をネットで探ってしまいました。太田胃酸がスポンサーという記述は見つからなかったけど果たして…。

そしてこれを調べている過程で重大なことを知りました。

今まで「太田胃酸」だと思っていたのですが、正しくは「太田胃散」でした!

胃酸:胃液中に含まれる酸
胃散:胃病に使う散薬

言われてみれば…恥ずかし!そして「太田胃散」さんごめんなさい。

言い訳としてはスマホの自動変換が「太田胃酸」になるのです。ということにしておきます。

各出演者のプログラムはAnimatoの公式サイトのCONCOURSの下の方、ショパンが描かれているピンクのバナーみたいなのをクリックすると見られます。

2次予選の感想

2日間の2次予選を視聴して感じたことを気ままに書きます。夜セッションは日本時間夜中の3時開始。また昼夜逆転したYO.

1日目 昼セッション
Piotr Alexewicz(ピオトル・アレクセヴィチ)ポーランド
Viêt Trung Nguyên(ヴェト・チェングウェン)ベトナム/ポーランド
Fantee Jones(ファンティー・ジョーンズ)アメリカ

ピオトル・アレクセヴィチさん
ショパン国際コンクール3次予選では、攻める色彩豊かなプレリュードがすばらしかった。
その時はプレリュードの最後の音を両隣の鍵盤押さえないで弾いてたと思うけど、今回は押さえてました。3次予選で見た時に大聖堂の鐘みたいで印象的だったので、押さえない方が私は好きかも。
ワルシャワではずっと黒のシャツとパンツだったけど、今回は蝶ネクタイスタイルで正装っぽい。攻める演奏は健在。少しリラックス弾いているように見えました。

ヴェト・チェングウェンさん
ショパン国際コンクール2次予選で、重みのある舟歌が印象に残った方。
自分の演奏を噛み締めながら弾く感じで、優しそうな人柄が演奏にも滲み出ている気がします。その優しさをバラード4番に感じました。素敵でした。
眼鏡をかけて登場。さらに真面目に見えます。ショパン国際コンクール2次予選は緊張が見えたけど、今回の方が落ち着かれているように見えました。

ファンティー・ジョーンズさん
最初の挨拶が豪快だったので、迫力ある演奏をしそうだなと思ったら、実際そうでした。
ちょっと雑な気もするけど、気にせずガンガン弾く感じ。昼セッションの御三方の中で、最も豪快だったのではないでしょうか。
ショパン国際コンクールではソナタは2番か3番でしたが、こちらフランスのコンクールはソナタの縛りはないようなので1番でした。ずっと2番、3番を聴いていたので新鮮。
弾き終わった後のお辞儀も豪快でした。

1日目 夜セッション
Michelle Candotti(ミシェル・カンドッティ)イタリア
Yuanfan Yang(ユアンファン・ヤン)イギリス
Aristo Sham(アリスト・シャム)中国/香港
Sergey Belyavskiy(セルゲイ・ベリャフスキー)ロシア

ミシェル・カンドッティさん
ショパン国際コンクールで見た時の印象は、クラシカルな雰囲気が魅力的だなぁと。
ワルツ素敵でした。イタリアのラテンな血が影響しているのかな?と感じさせてくれるような、陽気で心地よいワルツ。
お顔立ちはとてもかわいらしいけど、芯が強そうなイメージがあって、最後のスケルツォはそんな強さを感じました。客席の反応よく、現地で聴いたら迫力あったのかも。

ユアンファン・ヤンさん
ショパン国際コンクール1次予選まで出演されていましたが、見ていなかったので今回お初です。
メリハリのある24のプレリュードでした。ところどころ感情に手が追いついていないのかもと思う部分がありましたが、訴えたいものが伝わるような演奏でした。

アリスト・シャムさん
アリスト・シャムさんと言えば、ショパン国際コンクール2次予選で鬼滅の刃のような靴下を履いていたのが記憶に残りすぎています。今回は蝶ネクタイのカラーと合わせたエンジの靴下でした。髪型も含めおしゃれさん。
3次予選で弾く予定だったであろうソナタ2番。ショパン国際コンクールの2次予選の時はとにかく指が回る人だなというイメージでしたが、重厚なソナタ2番よかったです。特に第1楽章と第3楽章は迫力ありました。

セルゲイ・ベリャフスキーさん
ロシアのピアニストさん。ショパン国際コンクールの方は出場されていなかったみたいなので、今回お初です。
結構サラサラ弾く感じで、スピードコントロールが個性的だなと思いました。なかなかテクニシャンな方なのかも。
バラードは迫力がありました。なんとなく舞台慣れしていそうに感じました。

2日目 夜セッション
Avery Gagliano(エイブリー・ガリアーノ)アメリカ
Yutong Sun(ユトン・ソン)中国
Hyuk Lee(イ・ヒョク)韓国
Eric Guo(エリック・グオ)カナダ

エイブリー・ガリアーノさん
とっても美しい真珠のような音が印象的だった、所作もお顔も美しい方。円熟して見えるけど実はまだ20歳らしい。大人っぽいです。
最初のバラード中にインターネット接続不具合で配信が途切れ、戻った時には既にマズルカ終盤。というわけで、アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズしか聴けませんでした。
少し集中力が途切れていた部分があったかなと思いましたが、音の美しさは健在でした。本当に玉のような音です。

ユトン・ソンさん
ショパン国際コンクールで見てとっても好きになったユトンさん。静寂と奥深さ、黒いものが見えるような空気が独特で惹き込まれます。
課題曲の太田胃散でご本人もびっくりしたであろうミステイクがあり、その後配信が一瞬途切れ(これはご本人は知らない)と、見ている方はドキハラでした。
幻想曲がものすごい独特だった。今聴き直しながらこれを書いてます。特に静寂と間の取り方、抑揚。それとみんながスタッカートで弾くところはあえて?ペダルありで弾いていて、重々しさや幻想的な雰囲気を残したのかしら。割と好きかも。明日起きたらもう一度聴いてみたいと思います。→そしてもう一度聴いた。これは癖になるかもしれない。
ワルシャワではサラリーマン風の装いだったけど、今回は蝶ネクタイ。アレクセヴィチくんも蝶ネクタイだったけど、招待されたコンクールだから正装なのでしょうか。ドレスコードがあるのかはて…。

イ・ヒョクくん
今回のフランスのコンクール出場者の中で、唯一ショパン国際コンクールのファイナル出場者です。
登場がにこにこしていてかわいい。この時点でキュンとする人多数と予想。
演奏を始めるとピュアで硬派な表現で、とても惹き込まれます。ご本人乗ってくると楽しそうに弾いていて、音楽への愛が伝わるよう。
天真爛漫さ感じるお手をどうぞの変奏曲の演奏後は、思わず会場から拍手をもらっていました。そしてイ・ヒョクくんのソナタ3番好きです。聴いた後に幸せな気持ちになりました。本当にものすごく魅力的なピアニストさんだなぁ。
会場は大拍手でこれまででの一番の盛り上がりだったように思います。最後の挨拶もにこにこ。かわいい。

エリック・グオさん
ショパン国際コンクール1次予選まで出場されていましたが、見ていなかったのでお初です。
かなりアグレッシブな演奏だなと思いました。テクニックありそうです。で年齢確認したら19歳。今回の出場者で一番若い。
バルカローレ(舟歌)がよかったです。主張は強めだけど、自分のやりたい音楽はしっかりありそうな感じでした。
黒シャツに黒のスーツで登場したので、ドレスコードはなかったんだなと思いました。

ファイナルは明日の真夜中

順位をつけるのは好きではないしそのような立場におりませんが、2次予選を全部聴いた感想はイ・ヒョクくんの演奏が好きだったな。

途中インターネットのトラブルがあったけど、こうやって無料で配信を聴けるのはありがたいです。14日間は無料で視聴できるそうです。

現地時間フランスの本日(日本時間は明日の3時)がファイナルです。ファイナル出場者の発表はまだされておらず、現地時間当日の朝なんでしょうか。(日本時間の夕方頃?)

ファイナルはポロネーズや幻想曲など1曲またはワルツとバラードの2曲など短めです。1曲入魂!って感じですかね。

どなたがファイナルに進まれるのかわからないけど、ファイナルに進まれる方の入魂の1曲楽しみにしています!

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moni

引きこもり中のゆるい推し生活を綴ります。スペインのセビージャでフラメンコ留学してました。趣味でピアノを習っていたのは4歳〜16歳くらいまで。素人です。話す言...

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