ダン・タイ・ソンのピアノリサイタル 紀尾井ホール 2022/8/30

8月30日のお天気悪かった日、ダンタイソンのピアノリサイタルで紀尾井ホールに行きました。
向かう途中に雨降ってきて、着いたらやや濡れ。コンサートの日に洋服が雨に濡れているなんて、なんて失態だ!(傘持ってなかった)
こちらの本を読んで、ぜひリサイタルにお伺いしたいと思っていましたダン・タイ・ソンさん。

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Kindle化されるの待ってるんだけどなー。
この本を読んで物静かなおじさまのイメージを抱いていましたが、思っていたより陰陽の濃淡がはっきりした音楽でした。
個人的な白眉はマズルカ、ワルツ。格式高いホールで、高貴な演奏を堪能致しました。
ダンタイソンピアノリサイタル@紀尾井ホール
紀尾井ホールはコンパクトなサイズで、気品あふれる高貴なホール。
今回は下手側の1段上の座席を購入しました。ここ見やすくていい。
天井のシャンデリアが豪華さを物語ってます。
落ち着いた内装と雰囲気から、紀尾井ホールの格式の高さが伺えます。お着物でいらっしゃる人を見かけたことある。
コンサートの時は30分以上早めに到着してホールの雰囲気を味わいつつ、気持ちを落ち着けて本を読んだりして待つのが好きです。
だんだん人が集まってくると、いよいよリサイタルが始まるのだなと程よいワクワクと期待が高まります。
会場アナウンスによると「ブラボーは心の中でお願い致します」だそうです。
演奏曲
1部はバッハ(フェインベルク編)、モーツァルト、ベートーヴェン、2部がショパン。アンコールはドビュッシーで、西洋音楽史を時代順に要約して楽しんだようなプログラムでした。
J.S.バッハ フェインベルク編:
オルガン・ソナタ ハ長調 BWV529よりラルゴ イ短調
モーツァルト:
ピアノ・ソナタ第11番 イ長調KV331「トルコ行進曲付き」
ベートーヴェン:
ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 Op.109
モーツァルトのソナタが懐かしすぎた。これはピアノを習っていた人は弾いたことがある人が多いでしょう。
モーツァルトなんだけど、なんとなくショパンっぽい感じがしました。続くベートーヴェンもショパンっぽい。
ダン・タイ・ソンさんのショパンのCDを聴いていたから、ダンタイソン=ショパンみたいなイメージができてしまったのかもしれない。
ショパン:
ポロネーズ ハ短調 Op.40 No.2
4つのマズルカ Op.24
3つのワルツ
- へ短調 Op.70 No.2
- イ短調 遺作
- 変イ長調 Op.34 No.1「華麗なる円舞曲」
3つのエコセーズ Op.72 No.3
タランテラ 変イ長調 Op.43
ポロネーズ「英雄」変イ長調 Op.53
2部は濃淡のあるショパンを楽しませていただきました。特にマズルカとワルツはすばらしいの一言に尽きます。
マズルカやワルツの絶妙な揺れや鬱々とした感じに、固唾を飲んで聴き入りましたよ。
教え子のブルース・リウくんが優勝した時のインタビューで、ブルースくんが太陽で、JJブイくんが月で、自分はJJブイくんに近いと言ってました。
ダン・タイ・ソンさんのマズルカを聴きながらそのことを思い出し、夜の月と昼の月を見せてくれていたような気がしました。消え行くような儚い表現はまさに月だった。
ワルツ3つ目で色が変わり、3つのエコセーズを経由して、力強いタランテラ、ポロネーズ「英雄」に展開していきました。
この流れもお見事に思ったので、毎回拍手で立って挨拶してたけど連続して演奏してくれてもよかったかも。
ブルースくんが演奏中に足でドンドン音を出すけど(ご本人も言ってたしリサイタルでも音出てた)、ダン・タイ・ソン先生も負けじと音出てました。これは先生譲りなのかな?
ドビュッシー:
パックの踊り
風変わりなラヴァーヌ将軍
アンコールの1曲目は、フランス語超初心者ながら「パック」が聴き取れました。(それで喜ぶ私)
1部、2部とまた雰囲気をガラリと変え、ダン・タイ・ソンの童心や遊び心を垣間見られたような気がした演奏でした。
ショパンに愛されたピアニスト
私が言うのもおこがましいですが、本のタイトル通り「ショパンに愛された」という枕詞が合う方だなと感じました。
本で読んだ限りでは、ダン・タイ・ソンさんはメンデルスゾーンもレパートリーらしくて、一時期はメンデルスゾーンをよく演奏されていたそうです。リサイタルでメンデルスゾーンを聴いたことがないので、いつかメンデルスゾーンも聴いてみたいなぁ。
バロック、ウィーン古典派、ロマン派、印象派と時代ごとの音楽を楽しめたプログラムでした。
格式高いホールで高貴な演奏を堪能する夜。贅沢よ、本当に。
訳あってしばらくリサイタル通いは封印の予定です。

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