ヤコブ・クシュリクのリサイタル視聴 ポーランドラジオ

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第18回ショパンコンクールで第4位だった、ポーランドのヤコブ・クシュリク(Jakub Kuszlik)さんのソロリサイタル配信を観ました。

リサイタルの配信日は2021年11月11日。だけどその日はこの配信のことは知らなかったので、Twitterでシェアされていた方のツイートを見て数日経ってから。

12月1日現在でも視聴数は8,000に満たないほどであまり知られていなかったのかなと思いましたが、とてもよかったのでぜひ観てみてください♪

第1部:ブラームス

11日11日のヤコブ・クシュリク(Jakub Kuszlik)さんソロリサイタル配信は、ポーランドラジオ企画のコンサートのようです。第1部がブラームス、第2部がショパンという構成でした。

第1部
-Johannes Brahms
7 Fantasien Op.116
4 Klavierstücke Op.119

ブラームスとても聴き応えがありました!

ヤコブさんの音楽はどこか影があるイメージです。「幻想曲集」は、深く不思議な色を持つ池にいるように感じました。湖畔にじわーっと音が馴染んでいくような。素敵だわー。

まろやかで優しい音から、重心のある軽快な音、重みと迫力ある音まで、「4つの小品」は幅広いヤコブさんの表現を堪能しました。圧がすごくていい。

成熟した演奏で、第1部の時点ですでに充実マックスで満足度高。

第2部:ショパン

第2部はショパンコンクールでも弾いた幻想曲、マズルカ、ソナタ第3番でした。

第2部
-Fryderyk Chopin
Fantasy in F Minor Op.49
Mazurkas Op.30
Sonata in B Minor Op.58

ヤコブさんは「幻想曲が好き」と、ポーランドラジオのインタビューで言っていたと思います。予備予選と3次予選で弾いていて、素晴らしい演奏でした。

この配信ではコンクールの時よりも自由に弾いていたように見えて、ヤコブさんのふくよかな手で奏でるとっても優しい音と、包容力を感じました。深くて厚みがある音。

彼の幻想曲は生で聴いてみたい。ヤコブさんがガラコンサートで幻想曲を弾くのは、富山と大阪。西にも行きたくなる〜。もちろんポーランドの独特な揺れリズムのマズルカも聴きたい。マズルカと幻想曲、両方弾いてくれませんか?

ヤコブさんのマズルカはどことなく鬱っぽい。スカッと晴れない陰を感じる曇り空のよう。そんなマズルカの魔力に惹かれます。

ソナタ3番もコンクールの時より伸び伸びしていた印象でした。包み込むような安心感や、音楽の厚みを感じます。第4楽章に向かう盛り上がりが自然なのも好き。

ショパンコンクールの時は弾き終えたらすぐ退場していたヤコブさん。

舞台を噛み締めながら挨拶する人も多い中、ヤコブさんはサッと挨拶して一瞬にこやかに笑ってスッと退場する。ファイナルの時も「じゃ僕弾き終えたんで帰ります」みたいな感じでした。

今回のリサイタルも弾き終えて挨拶後すぐ退場してたけど、2回目に戻ってきてアンコールで弾いた「ワルツ2番 Op.34-1」に悶絶。はじまりのカメラワークの妙もあって、ドワーっと何かが込み上げました。

なんて優雅でまろやかなワルツ!

2次予選でヤコブさんのこのワルツ2番を聴いて、「うわーずっと聴いていたいワルツ!」と思ったことを思い出しました。絶妙な揺れはポーランドの血ではないかとも。このワルツ2番は絶品。

個人的にこのリサイタル配信の音響の方がコンクールの配信より好きだったのと、結構アップなカメラワークで観ていて楽しかったです。

それにしてもなんて贅沢なプログラムなんだ。リサイタル会場の客席は空席がいくつかあったけど、その席くださいって感じでした。

コンクールの緊張から解放されたと思われる伸び伸びとした演奏は、よりヤコブさんの自然に近いのかもと思うと惹かれますね!

ヤコブ・クシュリク(Jakub Kuszlik)11月11日リサイタル配信▼

ヤコブさんとカミルさんの配信

昨夜12月1日はヤコブさんとカミルさんがポーランドの母校の音楽学校にお呼ばれしたようで、表彰式とライブ配信がありました。あまり告知されていなかったのか、オンタイムで観ていた人が40人ほど。

バックが青の蛍光ライトでなんだか合成映像みたいな会場。現地で見ていたら水族館風で素敵なのかもしれない…。

3つのカメラはほぼ定点だったので、ショパンコンクールや上述リサイタルのカメラワークは凝っていたんだなと、昨夜の配信を観て思いました。

ヤコブさんが弾いたのは、ワルツ Op.34(No.1,No.2,No.3)、マズルカ Op.30、幻想曲。

ワルツ3曲目が終わった後に会場から拍手が起こって、立とうかどうか迷ったように見えて結局立たなかったヤコブさんがかわいかったです。

12月11日の配信 ▼

ヤコブさんの来日楽しみ

来年のガラコンサートでヤコブさんの演奏を聴くのを楽しみにしています。マズルカ、幻想曲聴きたい、そしてあの優雅なワルツ2番も聴きたい…のだけど。

昨日から始まった外国人入国の規制。いつまで続くかわからないけど、ガラコンサートの雲行きは怪しそうでしょうか。状況が落ち着いたら安全な状態で来日してほしいです。

ヤコブさんはいつか単独で日本に来そうだから、マズルカ、幻想曲、ワルツ、全部楽しみにしておこ♪

おすすめ記事 ▷ ふくよかな手で奏でる包容力 ヤコブ・クシュリクのピアノ

追記:ヤコブさん、2022年2月にポーランドラジオレーベルのアルバム出してました。このリサイタルで演奏していたブラームスとショパン。ご本人のお気に入りを集めたアルバムなのかな?マズルカの鬱々とした音色と独特なリズムがすばらしい。

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引きこもり中のゆるい推し生活を綴ります。スペインのセビージャでフラメンコ留学してました。趣味でピアノを習っていたのは4歳〜16歳くらいまで。素人です。話す言...

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