ショパンと彼のヨーロッパ国際音楽祭 古楽器オーケストラとフォルテピアノのコンサート

数日前ですが、Chopin Instituteで18世紀オーケストラのコンサートの配信がありました。
現在開催中の「ショパンと彼のヨーロッパ国際音楽祭」のプログラムの一つで、Chopin InstituteのYouTubeチャンネルにアーカイブが上がっています。
3時間近いコンサートですが、モーツァルト、ハイドン、ショパンのプログラムは聴き応えがありました。
ブルース・リウくんはエラールのピアノで、18世紀オーケストラとショパンの「お手をどうぞ」の変奏曲 Op.2を演奏。
トマシュ・リッテルさんのモーツァルトのピアノ協奏曲と、ブルースくんが演奏したショパンのお手をどうぞの時で、ピアノが入れ替わってるので異なるフォルテピアノの音色が楽しめます。
18世紀オーケストラのコンサート
18世紀オーケストラとはオランダが拠点の古楽オーケストラで、1981年から世界でツアーをしているそうです。
「古楽器による合奏の特色を徹底して追求している」のだそう。編成はコンパクトで、フルートやクラリネット、ファゴットなど木管楽器は現代の楽器とは違うことが一眼でわかります。
プログラムは以下の通りです。
Concerto for clarinet and orchestra in B flat major (reconstructed by Michał Dobrzyński)
Wolfgang Amadeus Mozart:
Piano Concerto No.22 in E flat major (K.482)
pf:Tomasz Ritter
Joseph Haydn:
Symphony No.98 in B flat major Hob. I/98
Chopin:
Variations in B flat major on a theme from Mozart’s ‘Don Giovanni’ (‘Là ci darem la mano’) Op.2
pf:Bruce Liu
フォルテピアノはポール・マクナルティ(Paul McNulty)とエラール(Erard)が使用され、それぞれ異なる音色が楽しめました。
モーツァルトのピアノ協奏曲第22番
トマシュ・リッテルさんがポール・マクナルティ(Paul McNulty)のフォルテピアノで演奏した、モーツァルトのピアノ協奏曲第22番とてもよかった。
古楽オーケストラとフォルテピアノならではの演奏という感じです。
ピリオド楽器の良さを引き出してると、素人の私でも感じるすばらしい演奏。
気になって調べたら、トマシュ・リッテルさんは2018年の第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールで優勝された方なんですね。どうりで素敵だと思ったYO!
少ない残響、不安定にも聴こえるような独特の音色が魅力です。モダンピアノとは奏法が違うと思われ、フォルテピアノを専門で学ばれたというトマシュ・リッテルさんの音に集中しました。
ピアノのサイズも小さいから、ミニチュアを演奏しているみたいに不思議に見えます。
ショパンの「お手をどうぞ」の変奏曲
ブルース・リウくんはエラールのピアノで、ショパンの「お手をどうぞ」の変奏曲を18世紀オーケストラと演奏しました。
オーケストラ版は初めて視聴。古楽オーケストラとの共演ということもプラスになってか、フォルテピアノだと原曲「お手をどうぞ」を作曲したモーツァルトらしさをより感じる気もする。
エラールの、高貴でにじむような音色が素敵です。骨董品みたい。
ショパンはエラール(Erard)とプレイエル(PLEYEL)と愛用していたらしいので、ショパンもこんな風に演奏したのかなと想像を掻き立てました。
「体調の優れない時はエラールで弾き、調子が良い時はプレイエルで弾く(ショパン談)」だったかな?
いつでも華やかな音を出してくれるエラールと、自分の出したい音が出せるプレイエルをうまく使い分けていたようです。
ブルースくんの個性を発揮する瞬間と、オーケストラと溶け合う瞬間があって、独奏とは異なる表現を見せてくれました。さすがブルースくん。
アンコールはラモーの未開人(Les Sauvages)。エラールの音色はラモーの憂な旋律にもマッチしていて、どこか異国情緒も感じる雰囲気。
注目される古楽器の演奏
最近は古楽器演奏が注目されていると、どこかの記事で読みました。HIP(Historical Information Performance)と言うそうです。
モダンピアノが登場する前の時代の音楽を追求したり、好奇心が刺激されるピリオド楽器の演奏を聴くと、古楽器の世界に足を踏み入れたくなることもあるかもしれないね。
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