ブルース・リウ ピアノリサイタルに行きました!2021/11/11

クラシック

昨夜、第18回ショパンコンクール優勝者ブルース・リウ(Bruce Liu)ピアノリサイタルに行ってきました。

心に湧き上がる何かを感じて興奮しすぎて、昨夜はなかなか寝付けなかったです。今日も昨夜の演奏の余韻に浸っています。

この興奮が冷めないうちに、昨夜のブルース・リウくんのリサイタルの感想を書いておこうと思います。

久々に日本でコンサートホールへ

ブルース・リウ(Bruce Liu)くんのピアノリサイタルが行われたのは2021年11月11日。場所は東京オペラシティのタケミツメモリアルコンサートホールでした。

オペラシティに行くのは何年ぶりかな…そもそも日本のコンサートホールに10年近く足を運んでいないので、ものすごく久々のクラシック鑑賞です。

事前にオペラシティのコンサートホールの収容人数を確認したら1632席。なかなか大きいホールですね。

スペインでこのサイズのホールに行くとしたら割とバチギメしていくのですが、日本のコンサートはそこまでバチギメしてくる人がいない印象なので服装迷いました。スペインだったら絶対水玉着たはず。

東京オペラシティ到着

今年は家に引きこもっている時間が長かったので、電車に乗ってお出かけするのがそもそも久しぶりです。

開演は19時。開場は18時となっていたので、開場時間に到着する目安で家を出ました。すでにちょっとドキドキ。

会場には予定通り18時ちょっと過ぎに到着。すでに入場している人が結構いました。

東京オペラシティコンサートホールの入り口

みんな来るの早いのね

プログラムを受け取って、とりあえずトイレへ。とりトイです。プログラムと一緒にフェイスマスクもらいました。なぜ?

ブルース・リウ ピアノリサイタル

これ結構いいマスクじゃん

荷物邪魔やなと思ってクロークを探して、クロークにコート以外を預ける。(コートはコロナ禍で預けられない)

え、どうしよう。久々のクラシック鑑賞すぎてアウェイを感じる。フラメンコの公演やライブはたくさん見てきたけど、クラシックはなんだか勝手が違う気がする。ソワソワそわ子。

とりあえずロビーにある假屋崎省吾の作品を収める。

東京オペラシティコンサートホールの假屋崎省吾

クリスマスっぽい

スタンドカフェでドリンクでも飲もうかなと思ったけど、演奏中にトイレに行きたくなったら嫌なのでやめました。ただ、緊張で喉が乾いてきたのでペットボトルのウォーターを買って給水。

ホールの中に入って自分の座席を探す。前の方の舞台向かって左手の席です。とりあえず座ってみる。ピアノがよく見える席じゃないか!

2次予選からずっとリアタイしててそろそろ限界近づくガラコンサート3日目の配信の後、寝ずに待機してチケットを取った甲斐があったWA…。

ホールの様子や舞台上のピアノを写真に収めたかったけど、写真禁止みたいですね。演奏中でもないのに何故だろう?不思議でした。

18時に会場に着いて1時間も待つの暇やなって思ってたけど、ソワソワしてたらあっという間に開演時間。スマホの電源がOFFなのを5回くらい確認して準備OK。

1部

いよいよ生のブルース・リウ(Bruce Liu)さん登場。硬派な感じです。

見た目は24歳の若い青年。会社で言ったら新入社員くらいの年齢だけど、もう「ショパンコンクール優勝者」としての看板を背負い、世界に羽ばたいているのだな、芸術の世界は早熟なのだなとしみじみ思いました。

所作がシュッとしていて品があり、いるだけで華がある人です。すでに人を惹きつけている。

1部プログラム
Nocturne in C sharp minor, Op.27 No.1
ノクターン 第7番 Op.27-1

Scherzo in E major, Op.54
スケルツォ 第4番 Op.54

Ballade in F major, Op.38
バラード 第2番 Op.38

Andante Spianato and Grande Polonaise in E flat major, Op.22
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22

本日のピアノはスタインウェイ。

1曲目のノクターン弾き始めて、弱音がものすごく優しいと思いました。配信で見ていた時はファツィオリのキラキラ、華やかな右手の音の印象が強かったですが、優しい物憂げな音です。

ブルース・リウくん自身が、とても優しい人なのではないかとものすごく感じました。

2曲目は、コンクールの1次予選でとっても魅力的に弾いていたスケルツォ4番。力が入る時など、左足が右足より後ろに構えて弾いているように見えます。全身でピアノに向かう姿がかっこいい。

ブルースくんの左手と左足が好きです。前方左側の席だったので、長くて美しい右手の動き、右手のビブラート、独特な左手の返し、足の動きがよく見えました。左足は時々ビートを踏むよね。

バラード2番を聴いた時に、左手にとてもペソ(重みや深み、芯に響く感じ)があって素敵だなと思いました。配信の時はファツィオリのピアノの音が重厚なのかと思いましたが、ブルースくんの左手にペソがあると感じます。体の内側に響くような、とっても魅力的なペソ。

アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズも、左手のペソを感じるドラマティックな演奏を見せてくれました。2次予選で見た彼のこの曲がものすごく好きで、メモにひたすら「やばい」って書いていたことを思い出します。まさか直接聴くことができる日が来るなんて!

高揚感に包まれたまま1部終了。幸せな時間は続きます。

2部

短めのトイレ休憩があり、2部がスタート。2部はコンクールの3次予選で弾いた曲ですね。

2部プログラム
Mazurka in G sharp minor, Op.33
4つのマズルカ Op.33

Sonata in B flat minor, Op. 35
ソナタ 第2番「葬送」Op.35

Variations in B flat major, Op.2
ドン・ジョヴァンニ「お手をどうぞ」による変奏曲 Op.2

ブルース・リウくんのマズルカは独特のリズムで、癖になります。左手の返しが粋ですよね。第4番の途中、左手のみのパートを弾くときに右手をピアノに添えるのもなんかかっこいいです。ピアノを愛でているよう。

ソナタ第2番は、コンクールで聴いたのとは異なる景色が見えました。配信で聴いたのより好きだった!やはり左手のペソがたまらないです。4楽章のラストの弾き方も、コンクールの時と全然違う。お隣のセニョーラは首がコクリコクリなってらしたけど、もったいない〜。

ぜひ生で聴いてみたかったドン・ジョヴァンニ「お手をどうぞ」の変奏曲 Op.2。これはやばいですね!

どんどん彼の演奏に惹き込まれ、まるで止まらない車輪のようです。一発ノックアウト案件でした。ラストに向かってドキドキして、自分の鼓動の音が聞こえるほど。生で聴くことができて嬉しすぎました。

すごいぃぃぃ!拍手拍手拍手!

アンコール

そしてアンコールは4曲ありました。アンコールもとてもよかった!

アンコール
Chopin -Nocturne in c sharp minor Op.Posth.
ショパン ノクターン 第20番「遺作」

Chopin -Etude Op.10 No.5
ショパン エチュード Op.10-5 「黒鍵」

Bach -French Suite No.5 in G major BWV 816
バッハ フランス組曲第5番 1 アルマンド

Chopin -Waltz in A flat major, Op.42
ショパン ワルツ第5番「大円舞曲」

変奏曲の演奏が終わって前方とオルガン席の後方のお客さんに深々とお辞儀をした袖にはけた後、2〜3回戻ってきてお辞儀をして、静かに弾き始めました。

1曲目のノクターン遺作は、やっぱり音が優しい。寄り添うようなノクターン。最後の一音まで優しかった。

2曲目はショパンコンクール予備予選で弾いていた黒鍵のエチュード。イイ!ホールに響く音は玉のようです。綱引きするような独特な抑揚のエチュード。ラストの畳みかけ方がものすごく好みでした。ブルースくんは他の曲も含め、ラストが印象的に終わるイメージがありますね。

黒鍵のエチュードは子供の頃によくCDで聴いていた曲で、流れるような音の粒にワクワクしていました。この曲聴くと、夢中になりながらCDを再生していた当時を思い出すのよね。そんな黒鍵のエチュードをアンコールで聴けたのは個人的にギュンてしました。

まだまだ鳴り止まない拍手。何度も出てきては前方、そして後ろの席に深々とお辞儀をされていました。素敵な好青年。

3曲目を弾こうとした時、客席から少し声が上がったんですがそれ聞いて「why?🤷🏻」のポーズしてお客さんを笑わせ、「何弾こうかな〜」って考えていたように見えました。

クラシック鑑賞の流儀があまりわかってないのですが、アンコールを何曲弾くとか、弾く曲って事前に決めてないんですかね?

3曲目はショパンではなくバッハ!なんか音が温かい〜。オールショパンのプログラムの中のバッハだったのですごく新鮮な風が吹き、特別な感じで弾き終えました。これでいよいよ終わりかと。この幸せな時間が終わってしまうなんて寂しい。

そんな気持ちで拍手を送り続け、会場のお客さんも拍手を送り続け、また数回登場して深々とお辞儀をするブルースくん。本当に好青年ですね。

そしてピアノにすっと座り
👍🏻イェーイ👍🏻
のポーズをしました!たぶん口も「イェーイ」ってなってたと思う。え!めっちゃお茶目でかわいいんですけど!「もちろん弾くよ〜」ってことかな?

アンコール最後に弾いたのはワルツ5番です。これは心が躍った。2次予選でブルース・リウくんを見て、一気に心奪われた曲です。もう本当に嬉しいぃぃぃ。忘れられない一夜の締めくくりです。

1部2部でたっぷり弾いたし、働き詰めでお疲れだろうからアンコールは1曲かなと思っていたので、4曲も弾いてくれて感激です。

最後は両手で客席に向かって手を振ってくれて、みんなの心を鷲掴みにして帰ってゆかれました。思わずこちらも手を振ってしまった。

ブルース・リウ(Bruce Liu)くんはso funnyでso cuteな方でした。昨夜のアンコールは、誰もが忘れられない煌めきの時間になったのではないでしょうか。

最後はスタンディングオベーション!ブルース・リウ(Bruce Liu)くん日本に来てくれてありがとう。心からの拍手を送りました!

¡¡No se puede aguantar!! Bravooo!!

毎回違うピアノを弾くこと

ショパンコンクールではずっとファツィオリを弾いていて、「自分がファツィオリを選んだというより、ショパンの音楽がファツィオリを選びました」という、めちゃくちゃかっこいいこともおっしゃっていたブルース・リウくん。

昨夜はスタインウェイに寄り添い、優しい右手とペソのある左手で奏でる姿を見て、彼がインタビューで言っていたことを思い出しました。

(ピアニストは)毎回コンサートで違うピアノを弾く。
毎回違う体験ができるから、それはとても楽しいこと。チャレンジングなことでもあるけど。
いい例が思い浮かばないけど、複数の彼女がいるみたいな感じ。
僕は複数の愛(を持つこと)は知らないけど、それ(複数のピアノを知っていること)はいいことだと思う。
でも心配しないで。僕はいい子だから。

ブルース・リウ(Bruce Liu)

(英語勉強中なので訳がヘンテコだったらすみません…)

同じインタビューで、ピアニストとして新鮮さをキープすることが最も難しいとも言っていました。

毎回異なるピアノを弾くことを楽しみ、新鮮さやインスピレーションを大切にする意識があるから、彼の演奏はいい意味で予期せぬ驚きがあって惹きつけられるんだなと思いました。

昨夜はスタインウェイの彼女との演奏が素敵だったYO!!

▶︎ ChopinInstituteのインタビュー
ブルース・リウ(Bruce Liu)くんのパートからスタートします

消えない余韻

ブルース・リウくんの演奏を聴いて、今年は個人的にとても辛いことがあって心が不調だったけど、がんばって生きててよかったと思いました。大袈裟なく本音です。

本当に幸せな時間でした。

こんな時はすぐに帰りたくないんですよね。新宿じゃなければ夜風にあたりながら歩きたいんだけど、新宿は迷いやすいので外のベンチで20分くらい過ごした後、電車に乗りました。

地元駅に着いてもまだまだ楽しみたい余韻。おつまみを食べながらひとり宅飲みして、それでも興奮がおさまらない。朝起きてもまだ昨夜の幸せな気持ちを味わってました。

Bruce Liuさん、so touchingな音楽をありがとう。

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引きこもり中のゆるい推し生活を綴ります。スペインのセビージャでフラメンコ留学してました。趣味でピアノを習っていたのは4歳〜16歳くらいまで。素人です。話す言...

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