沢田蒼梧ピアノリサイタル 紀尾井ホールでたくさん笑いました 2022/3/13

トークも含めてとても楽しみにしていた沢田蒼梧さんのピアノリサイタルに行きました。
いつもコンサートには一人で行きますが、普段はクラシックを聴かない妹がNHKのドキュメンタリーを見て「沢田さんの演奏を聴いてみたい!」ということで、妹と2人で。
ショパンコンクール2次予選で上品で高貴、そして儚い「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」を弾いてらして、印象に残っていました。
お笑いセンス抜群のツイートの数々を拝見してますます気になるお方に!あんなにおもしろいツイートできる人なかなかいません。
真面目そうな見た目と純粋な演奏と自虐混じりのジョーク。このギャップとバランスが最高ですね。
ピアノリサイタルでもトーク、お人柄、演奏の全ての魅力が溢れていて、これからも応援したいピアニストさんになりました♪
沢田蒼梧ピアノリサイタル@紀尾井ホール
3月13日(日)に沢田蒼梧さんのピアノリサイタルが、東京の「紀尾井ホール」で行われました。
この日はとっても天気が良く、お昼のリサイタルだったのでぽかぽか陽気の中会場に向かいました。
ここは麹町駅から「紀尾井ホール」に向かう紀尾井坂。タモリが好きそうと思いながら上る。
開場は14時。13時30分頃に紀尾井ホールに到着したらすでに列ができていました。お着物でいらしていた方もいて、紀尾井ホールの各式の高さを改めて感じました。
待ちに待った公演です。わーい。
「紀尾井ホール」は新日本製鐵株式会社の創立20周年を記念して建設され、1995年に開館したホールだそうです。座席数は800席で舞台と近くてコンパクト。
バルコニー席形式や座席の深いグリーンに重厚さを感じます。落ち着いていて、とても好きな感じのホールの雰囲気です。
カワイのピアノが持ち込み
この日は紀尾井ホールにカワイのピアノが持ち込みされていました。なんとコンクールの時に沢田蒼梧さんが実際弾いたピアノだそうです!
カワイのピアノの音はとても特徴があるように思います。沢田さんは「芯を捉えてその周りに滲み出るような音で弱音が美しい」と表現されていました。
ショパンコンクールでカワイのピアノで弾いたコンテスタントの印象はとても残っていて、どのコンテスタントもカワイの魅力をとても引き出していたように感じたのですが、実際にホールで聴いてみてより魅力を感じることができました。
あくまでも私の印象ですが、カワイのピアノは重低音と高音がクリアで澄んだ音に聴こえます。重低音はギターで弦を弾いているような、何層もあるような音に聴こえるの。高音はキラキラはっきりしていて、フレッシュな感じ。
美しい紀尾井ホールで、沢田蒼梧さん×カワイのピアノの音を楽しむことができて貴重な体験でした。
第一部
沢田蒼梧さんは正装でご登場されました。今回のプログラムはオールショパン。
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22
エチュード Op.10-5「黒鍵」
舟歌 Op.60
スケルツォ第2番 Op.31
第一部の最初はアンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズから始まりました。沢田蒼梧さん×カワイの上品で高貴な音、そして儚くてどこか未完成な感じがたまらなく惹きつけられます。
1曲目が終わって拍手で立ち上がったと思ったら、まさかのMCの始まりでした。このタイミングでお話されるとは想定外でした。
そしてお話がとにかくおもしろい。もう一人漫談のプロみたいでした。
今後も沢田さんのリサイタルでお話があるかもしれないのであまりネタバレしないようにしたいと思いますが、ショパンコンクールの予備予選を家で見て散髪に行った話、ハンカチを持つようになった話。思わず声を出して笑ってしまいました。
格式高い紀尾井ホールではMCなしにしようと思っていたけど、逗子でのリサイタルのMCが好評で紀尾井ホールでもMCをすることにしたとのこと。
ありがたいご判断です!沢田さんのトークを聴いて久々に笑って、本当に幸せな気持ちになりました。
「格式高い紀尾井ホールで僕の格式高いトークが証明された」は笑いました。おもしろすぎ。
MCが終わったら音楽家に切り替わって純粋で儚い音楽を奏でるスタイル。なんて魅力的な人なんだ!
第一部の最後に弾いたスケルツォ第2番とても好きでした!まっすぐに伝わってくる表現と、遊びがありながらも上品さを失わないスケルツォに心が動かされました。
カワイの何層もあるような低音とクリアな高音も際立っていたように思います。
第二部
第二部はピアノソナタから始まりました。
ソナタ第2番 Op.35
ノクターン第8番 Op.27-2
バラード第1番 Op.23
このリサイタルのプログラムを見た時にショパンのソナタ第2番を演奏されると知って、沢田さんのイメージに合いそうだなとなんとなく思いました。その通りでした。
落ち着いた崇高な葬送。楽章間を空けずに世界観を継承していて、ものすごく集中して沢田さんの表現に入り込みました。
そして厳かなソナタ第2番からのMC。第二部のMCもおもしろかった。弦楽四重奏と演奏した時の話、Twitterのバズった話、笑いました。
もう本当になんでこんなに話の持っていき方が上手なのー!
最後のバラード第1番を沢田蒼梧さん×カワイのピアノで聴くことができたの、嬉しかったです。
生で聴くとカワイの低音の響きと弱音の美しさの魅力がとても感じられます。沢田さんのストレートな表現に合わさって、儚さと深さが同居するバラードでした。
アンコール
正面、上のバルコニー席を見てご丁寧にお辞儀をされた後、アンコールで2曲弾いてくださいました。アンコールもショパン!
ショパン:子守歌 Op.57
ショパン:ポロネーズ「英雄」Op.53
1曲目は「子守歌」です。沢田さんは子供がお好きで将来小児科も検討されているとおっしゃっていましたが、子供が安心して眠れる世界になればいいなという思いでとのこと。なんと素敵なドクターさんなんだ。
最後の曲はポロネーズ「英雄」でした。沢田さんの高貴な英雄。特にコーダが素敵!主張がある凛としたポロネーズ「英雄」で、清々しい気持ちになりました。
何度かカーテンコールで登場されて、最後は「打ち止め」みたいなポーズをしてまたひと笑いさせてくれました。コンサートであのポーズするピアニストさん初めて見ました笑。
本当におもしろい人すぎて帰りたくなくなるんですけど!
トークもお人柄もピアノも全てが魅力的
おもしろいトークとお人柄。ストレートに表現するピアノ。沢田蒼梧さんの全てが魅力的でした。
この日の私のお気に入りはスケルツォ第2番。
MCに関しては、久々にこんなに笑ったなと思うくらい、漫談に陶酔できました。本当あっぱれなトークです。
芸術は未完成であるというか、完璧でないが故に惹きつけられる部分があると思います。沢田蒼梧さんの演奏を聴いて、それをとても感じました。
ショパンコンクールで3次予選に進まれていたら、バラード第4番を弾く予定だったそうです。
ぜひどこかで演奏してくださいぃぃ。沢田さんのバラード第4番聴きたいです!
普段はクラシック音楽を聴かない妹も、沢田蒼梧さんの魅力にすっかり取り憑かれてご満悦。沢田さんのTwitterを早速フォローしてました。
ホテルニューオータニの日本庭園を散歩して帰りました。
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。