イム・ユンチャンYouTube動画 ラフマニノフピアノ協奏曲第3番 聴き比べ

ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝したイム・ユンチャン(Yunchan Lim)の動画を、YouTubeで検索してみています。
ファイナルで圧巻の演奏をし、みんなを驚愕させたラフマニノフのピアノ協奏曲第3番。
韓国のオーケストラと共演した動画がYouTubeに2つありました。つい最近アップされたものと、昨年の1月のもの。
ファイナルの動画と合わせて3つのラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番の演奏を聴き比べてみると、ファイナルの時はあれでも速度を抑え気味だったのかなと思いました。
クライバーンファイナルのラフマニノフ3番
セミファイナルのリスト超絶技巧練習曲全曲にも度肝を抜かれたのですが、ファイナルはさらに圧巻で直後は「すごい」しか感想が出てこなかったイム・ユンチャンのラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番。
ユンチャンより前にラフマニノフを演奏した人が3人いましたが、オーケストラとのテンポが合わせにくそうで、オーケストラが割とゆったりめ引っ張る感じに見えていました。
ユンチャンは大丈夫かなと思っていたら、あれ?そんなに引っ張られてる感じないし、すごく自然にオーケストラのテンポと調和してる。ユンチャンのピアノにオーケストラが引き寄せられてるような印象を受けました。
カデンツァの集中と密度、上品で時折陰も感じるメロディーの歌い方、ユンチャンの表現力に私も引き込まれました。オリジナルの方のカデンツァなのも良かった。オルソップ指揮が何度も嬉しそうな顔をしていたのが印象的でした。
圧巻は第3楽章。第3楽章に入るタイミングでゾーンに突入するスイッチを入れたみたい。オーケストラの方をキリッと見て「ヨシ!」とやってました。
オーケストラついて来られるか!?というような速度。指揮やオーケストラをしっかり見て、流行りの重めマッシュの下に隠れた耳で聴き、まさに溢れるか溢れないかのギリギリの表面張力。
普段はおとなしそうだけど、ピアノで雄弁に語り、何か驚異的な力でみんなを連れて行ってる感じがします。
今回のクライバーンはユンチャンが巻き起こした旋風に、多くの人が巻き込まれたはず。演奏後のコンマ何秒のリアルスタンディングオベーション。信じられない歓声で熱狂の世界でしたね。
本当にすばらしいラフマニノフの3番!「すごい」しか言葉が出てこないほど圧巻でした。
ファイナルの動画。アップロードから24時間ほどで120万再生超え。すごいね。
韓国オーケストラとの動画
YouTubeについ最近アップされた韓国KBS Classicの動画と、昨年1月の韓国Gwangju Symphony Orchestraの動画がありました。
Gwangju Symphony Orchestraの方はホールの座席で聴いているような音。ピアノのところにマイクがあるんだけど、ホールの座席で聴こえる音をそのまま拾ってるような不思議な音響の動画でした。
第3楽章はやっ!クライバーンのファイナルより速いんじゃないかと思います。これ見ると、ファイナルの時は「速度落とすなよーついてこーい!」って感じだったのかな。
▶︎ 【Gwangju Symphony Orchestra】YunChan Lim / S. Rachmaninoff, Piano Concerto No. 3 in D minor, Op. 30
KBS Classicの方はオーケストラとのテンポ調整を、事前にきちっとやったのかなと思いました。第3楽章の爆速もオーケストラついていってたし、ラストの加速もばっちり合ってた。
最後Vivaceに変わって転調するあたり(という説明で合ってるのかわからないけど)、豪快に鍵盤ぶっ叩いててピアノ壊れるんじゃないかと思いました。←
▶︎ 【KBS Classic】Yunchan Lim – S.Rachmaninov / Piano Concerto No.3 in d minor Op.30
ピアノで語るユンチャン
ユンチャンはラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を高速で演奏するスタイルと思われ、クライバーンのファイナルの時はあれでも抑えて弾いていた模様。
韓国の動画の方はテンポが良く合ってるような気はするけど、私はクライバーンファイナルの時の目力でオケに語りかける気合と、ギリギリの表面張力感が好き!
それまでもたついてた印象だった(ごめんなさい)オーケストラをガラリと変えて引っ張り、ピアノで語るユンチャンの姿はたくましくて美しかった。かっこいいよイム・ユンチャン。
6/22と6/26に韓国のYouTubeチャンネルでリサイタルの配信があるみたいです。楽しみ!
追記:ショパン8月号(7月19日発売)にユンチャンのインタビューあるそうです。
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