驚!イム・ユンチャン ピアノリサイタル サントリーホール2022/12/3

12月3日の夜の部。同じくサントリーホールでイム・ユンチャンのピアノリサイタル。
いやー驚き桃の木。
ユンチャンはとても個性的で、かなり自分をはっきり持ったピアニストだった。そして神秘的な不思議な魅力も持ち合わせていた。
イム・ユンチャン リサイタル@サントリーホール
スーパーソリスト達による秋の特別コンサート2022の3日目の夜の部です。
6月のヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで旋風を巻き起こして優勝した10代のイム・ユンチャン。10月頃に急遽サントリーホールでのリサイタルが決まりました。
こんなに早くユンチャンの来日が実現するなんて!
チケット発売日はエラーが出まくりでなかなかチケットを買えなかったのですが、昼過ぎまで粘っていたら奇跡のホール真ん中の席が買えました。
ホール真ん中はとても音がいい。ということに本日ようやく気づきました←
韓国のお客様がたくさん
今日は韓国からの遠征組が多い様子。ロビーでも、客席前も隣も後ろも韓国語で、サントリーホールにいながら韓国にいるのかと勘違いしそうなほど。
これはあくまでも個人的な感覚ですが、客席半分くらい韓国からのお客様だったのではないだろうか。ユンチャンの母国での人気がよくわかるようです。
韓国から日本は近いとは言え、こんなに大勢の人が韓国からこのために来ていると考えるとすごいよね。
ホールの雰囲気もいつもと違う。
日本のコンサートは演奏後も「沈黙は金」ばりに静かで拍手のみですが、今日は「フー」という歓声があり、カーテンコールは写真を撮影している人もたくさんいました。
英語でのアナウンスは「スマホの電源切ってね」だけだったから、「ブラボーなどの歓声NG」と「カーテンコールも撮影禁止」は韓国の方々には伝わってなかったようです。
スタッフさんは一生懸命注意して回ってたけど、追いつかないスマホ撮影者の数。海外はカーテンコールは撮影OKなイメージあるから、カメラNGの看板が出ていてもカーテンコールはOKと思ったのかも。
今後海外のお客様が増えることを想定するなら、プログラムに記載するとか、英語のアナウンスを全て流すなどの対策が必要な気がしました。
プログラム
本日のプログラムは知らない曲があったので、事前に予習していきました。
舞台に登場したユンチャンは小柄。正面と背面に丁寧に挨拶していました。
ギボンズ:ソールズベリー卿のパヴァーヌとガイヤルド
J.Sバッハ:シンフォニア BWV787-801(全15曲)
以前にインタビューでユンチャンが「隠居して山奥でピアノを自分のために演奏するのが幸せ」というようなことを言っていたと思うけど、それを彷彿とさせるようなバッハでした。
森の中とかでひとりでひっそり演奏している世界観。
曲順は1-15という順ではなくユンチャンご指定の順番で、最後の第9番は陰鬱な感じを残す静けさ。
リスト:
二つの伝説 S.175
第1番 小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ
第2番 水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ
リスト:
巡礼の年 第2年「イタリア」より
“ダンテを読んで ー ソナタ風幻想曲” S.161 / R.10-7
1部の印象とガラリと変わった、なにか脅威的な力で聴いている人を連れていく感じの2部。
特に「ダンテを読んで」がすごかった…。普通のピアノの3倍くらい大きいピアノ弾いてるんじゃないかと思うくらい、厚い、熱い、強靭な音。
ユンチャン自身はあまり表情出さないしクールな人っぽいんだけど、表現される音楽はとても熱く、ピアノの精霊に取り憑かれているよう。
ユンチャンの中にとてもしっかりした主張があり、伝えたい音楽が音にしっかりと刻み込まれているように感じました。
とにかく音がすごかった。すごいしか言えないけど、すごかった。(小泉構文みたいになってる)
バッハ/ケンプ編曲:シチリアーノ
アンコールはリストからまた世界観が山奥に戻って、ひっそりと終えてゆきました。
最後は正面、背面に加えて全6方向くらいにそれぞれお辞儀していて、かわゆかった。ユンチャンの真面目で律儀な人柄が伺えました。
再来日待ってます!
クライバーンの時も神秘的な印象を残したユンチャン。実際も不思議な魅力を感じる個性的なピアニストさんでした。
会場は韓国からのお客様が多く、ユンチャンはアイドル的な人気。
であったが、本人は至ってポーカーフェイス、クールにどっしり構えているようにも見えて、只者じゃない感があります。
しんみり静かな空間で、ユンチャンの山奥の演奏を聴いてみたいという思いも湧きました。
一緒に山奥にこもって、ユンチャンの隠居演奏を遠くから眺めるようなそんなコンサート体験してみたくない?
ユンチャン、また来日してピアノリサイタルしてね!
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